丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

北東北の旅(2/7)

yonkichi, · カテゴリー:

夜明けと共に私は目を醒まし、トイレに行った。充電しなければならない機材があったので、朝のうちにしておこうと思ったというのもある。
外に出ると昨晩食事の時にオーナーが言っていた通り、宿の屋根下に一生懸命穴を開けようとしているキツツキのドラミングが聞こえた。しばらく見ていると大きなキツツキが飛び去って行く。森の向こうに田沢湖の湖面が見える静かな朝だった。
色々降ろした荷物や車中泊用に出していたものを整理したりしているうちに、由も起きてきた。くーは飼い主の近くで寝ないと気が済まないので、クレートの中で寝て貰ったのだが、人が寝る場所がロフトなのでくーは結局クレートのゲートを閉めた状態で1晩を過ごした。
朝食もまた丁寧な和食だった。パン食が多いペンションだが、優しい材料とメニューのとても好感がもてる内容だった。食事にしても、ロケーションにしても、とても満足度が高い。某安売りの予約システムを使ったのだが、この値段では申し訳ないぐらいだ。
食後、田沢湖畔をくーと散歩。朝から嬉しそうに綺麗な湖水にバシャバシャと入り込んで走る。あまりゆっくりしていられないので、30分ほど散歩をして、9時前に出発した。
R105を北上し、二ツ井から山道へ。太良峡で先行車が停まったあとは、前に車がある事もなく、順調に高度をあげていく。白神山地の懐に入っていく。釣瓶落峠手前では車を停めて崖上から美しい紅葉を見つつ、トンネル手前で芋煮会をしているおばさん4人にくーを可愛がって貰う。
トンネルを越えてしばらくいくと、いきなりダートになった。それまでは簡易舗装されていたので走るのも楽だったが、やっと本格的なダートの始まりだった。その道のどまん中にバイクが横転している。ライダーは結構体格のよいオジサンで、札幌ナンバーだった。
引き起しを手伝うが、何やら操作もおぼつかない。あまり手を出す気はなかったが、セルがまわらないというので途方に暮れてしまう。これでは私達も見捨てて行けないので、シフトとクラッチとイグニッションを操作していくうちに、ニュートラルが表示されないくせにセキュリティのランプは点いている事が気になり、感覚でニュートラを出してクラッチを切り、セル。するとセルがまわり始めた。そう、メーターの電気系が切れているようなのだった。
キャブなのかインジェクションなのかもわからないというのだが、どう見てもキャブなので、アクセルを開けてセル。しばらくするとエンジンが息を吹き返した。
秋田の役所に電話をして舗装を確かめたというのだが、きっとそれは秋田側は舗装してあるという事だったのではないかと意見した。行政はそんなもんだと思ったからだ。青森側はわかりませんと一言言ってくれればいいのだろうが、気持ちよくワインディングを飛ばしていたらいきなり下りのダートになった所、コケたという結末らしい。
メーターは動かないが走る事はできるので、とりあえずこの先どの位ダートが続いているかわからないと私も言い、引き返す事にしたようだった。気をつけてと手を降り、彼は秋田方面に去って行った。私たちは青森側へ改めて進む。30分ほどのロスだったが、アクアグリーンビレッジANMONまでは未舗装はトータル10kmほどあったのではないだろうか。彼は来なくて正解だった。
ANMONで簡単に昼食。りんごソフトを食べてさあ難所越えだ。津軽峠に向かってダートへ入る。すると観光バスやら普通車やらが何台も走っている。SUVの方がはるかに少ない。いわゆる白神ラインはダートではあるが比較的走りやすいが、途中赤石渓谷への分岐を鯵ヶ沢に入る、赤石林道に入った途端、道の様相は一転した。何にしろガレているのだ。
部分的に10km/h以下にしないとまとにに走れない。それが20km以上も続いたので、私もヘトヘトになってしまった。バイクで走るのとは違い、由もくーも乗っているのだから、静かに走りきらなければならない。心底疲れた。
熊の湯で一休みをしようと、立ち寄り湯に入ったのだが、これが鉄分山盛りの真っ赤な湯。それも強烈な硬水で、髪の毛も肌もギシギシ言う。タオルも真っ赤に染まり、これでは入った気にならないという事で、どこか別の温泉を探す事にした。
十三湖方面に向かうのだが、日が暮れてきて店も何もない。道の駅のしじみ定食もタイムオーバーで間に合わなかった。十三湖脇の食堂も潰れていて、仕方なく手前で1件だけみつけた中華料理屋へ。そこでしじみ汁がついたカツ丼と親子丼を食べた。当然、客は私達だけ。店主は半分電気を消して、テレビを横になってみていたような店だった。
とりあえず暖かいご飯を食べられたので、ちょっとだけほっとしつつ、時間は18時前なのでまだ移動できるという事から、もう少し進んでみる事にした。
小泊近くでランランと明るいサークルKをみつけて入ると、見事に都会と同じような品揃えで驚いた。ここで弁当でも買えばよかったと少々悔やんだほど。アイスクリームとお菓子とデザートを買い、北上を続けた。すると、中泊という小泊の手前の海岸線で、雄乃湯温泉という看板をみつけてUターン。旅館のようだが外来もまだやっているという。ここで熊の湯のギシギシ肌をもう一度温めようという事になった。
温泉は貸し切り。誰もいない。ちょっとカルキ臭いが真っ暗な水平線の向こうに漁火が見え、なかなかの雰囲気だった。ここは津軽は北の果て。そんな気分をかきたてられながら、体を温めた。
時間は19時前。明日の朝、目覚めたあと階段国道でくーを散歩させようという当初の計画通り、真っ暗な中、竜泊ラインのワインディングを上り始める。他に誰もすれ違わない真っ暗な中、少しづつ竜飛崎に近づいていく。
途中眺瞰台展望台には1台、車中泊の先客が居た。そこで本当なら明るい時に写真を撮りたかったアングルを、何とかスローシャッターで撮影。これはゾクっとくる風景だった。遠くに漁火が美しく、ワインディングも壮観だった。トイレは使えるので、ここで泊まるのもいいかと思ったが、くーの散歩の事を考え、道の駅みんまやの上にある駐車場をこの日の寝床と決めた。
竜飛崎に近づいていくにつれ、雨が降ってきた。道の駅の場所がよくわからず、探したのだが、階段国道へ歩いていける場所の駐車場に立派なトイレもあるので、そこに決めた。他に2台、先客がいたが、我が家も先客の邪魔にならないよう、端の方に停め、寝床を作って21時には就寝したのだった。
写真は眺瞰台展望台の夜。スローシャッターで撮影。実際は真っ暗で、肉眼では月明かりでほんのり道が見える位なのだが、60秒のバルブ撮影をすると、森の色までしっかりと出る。津軽海峡の沖には漁火が美しく、不思議な画像が切り取れた。
20081021.jpg

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