丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

丘の本と言えば

yonkichi, · カテゴリー:

私が一番好きな場所はどこか、といえば、多くの友人はまず間違う事はないだろう。一時期は揺らいだ事もあったのだが、やはり結果的に私が好きな場所というのは、明らかなのだ。
開陽台。知っている人は知っている。知らない人はどこにあるのかさっぱり分からないだろう。今ではネットという便利なものがあるので、ちょっとググればすぐにどこなのかがわかる。しかしその場所に行くには、やっぱりそれなりに時間や労力をかけないと無理なのだ。それが旅というものでもあるだろう。
この丘を知ったのは、最初どこだったのかよく憶えていない。初期の頃だと思われるのは、先日のブログで書いていたTRAILだが、それよりもきっとモーターサイクリスト(別冊ではない方)や、ホットドックプレスの北海道ツーリング特集だったと思う。そして前後して佐々木譲の小説。
丘に訪れる旅人というよりは、丘を目指してくる旅人の中には、この本「振り返れば地平線」を読んできたという人も居た事だろう。かくゆう私も、初めて丘の上に立つ前に読んだのだった。
ストーリーは正直な所、陳腐な男女3人のロードムービーといった所だろうか。黒塗りのセリカが絡んでくる所で、眉をしかめたくなったのは本音だ。もっと旅を前に出してほしかった。折角初めて丘の話を聞いたという喫茶店のシュチュエイションは秀逸なのに。残念な展開だった。
ましてやその数年後だかを描いた「いつか風が見ていた」なんかはもっともっと酷い。丘の話は既に一切でなくなっていたので、丘は著者にとってその程度のものだったのだろうか。
異性が絡んでくるストーリーは、現実に実は多いのも知っている。ちょっと女性ライダーがいると、とりまきができ、そのとりまきは集団で移動する。ミツバチ族ならではか、女王蜂が現れるとせっせと蜜を運ぶ働き蜂が集まってくるという事に、悲しい位に同じ事が現実に目にする事が少なくなかった。
そういう話で丘を塗りつぶして欲しくなかったのだ。
この本はこれ以外に文庫本も持っていて、それは貸したまま帰ってこない。別に同じ内容なのだから構わないのだが、本が人の手に渡り、手にした人がまた丘を想い馳せるような事があれば、それだけでもワクワクするじゃないか。但し、私と同じように、ストーリーでなく、丘に対してだけで良い。
既に廃刊になって久しいので、これから手に入れるには、難しくなってくるだろう。私は少なくともずっとこの2冊は手元に保管しなければならないものだと思っている。
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