丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

桜海老踊る

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

春と秋の風物でもある、駿河湾の桜海老。春は実はあまり行かないのだが、晩秋の頃、毎年富士の周辺で古い友人と年に1度のキャンプミーティングがあり、必ずとって桜海老を食べに行く。なんでそんな話をしているかというと、先週の日曜、日本テレビでやっていて毎週楽しみにしている「鉄腕ダッシュ」という番組で、桜海老が出てきたのだが、録画していたものを今日夕食時に観たからだ。
何だか日本の味とか料理を偉そうに言う時、大抵が懐石とかではなく丼になってしまうのは私が庶民だからだろうか。それは否めないが、その理由としてひとつ思い当たる節がある。何かというと、私はキャンパーだからだ。一鍋料理と勝手に言っているが、食器に料理を盛る事はせず、つくっていた鍋(コッフェル)がメインの皿になり、ご飯を食べる時は小皿兼コップで重ねて収納ができるシェラカップを使うように、見た目を気にしないからだと思っている。
合理的という理由だけでなく、水をできるだけ使用せず、また洗剤すら使わないようにするには、まず洗うものを減らす事から始まる。バイクに家財道具を載せて走る事は、載せるものを厳選しなければならないという理由と、同じ機能のものを買うにしても、小さく、収納性を重視し、それを実際の機能を比較する。そんな中で、皿とかおたまなどはできるだけ減らすという事から、丼というひとつの皿に全てが集約されている日本料理には相通じるものがあるように思う。
静岡は駿河湾沿いに行くと、必ずスマル亭といううどん屋に寄っていた。今でも時間帯で早朝や深夜などは立ち寄るのだが、3年前にいきなり麺が冷凍になってしまった。冷凍がまずいという訳でも、前がそんなにおいしかったという訳でもないのだが、ここにある桜海老としらすの天ぷらがやはり目的に近かったのかもしれない。しかしある年から旅の友人が、もっとおいしい店があるのを調べてきて、早速皆で行ってみた。
そのお店はやはり静岡をベースにチェーン展開している、鐘庵という。桜海老のかきあげが秀逸で、垂直に海老が立っているのだ。麺もスマル亭よりあきらかにおいしいが、値段はやはり比較すると高めだった。またこの鐘庵には、駿河丼というマグロのしぐれ、錦糸玉子、しらす、桜えびの釜揚げ、わさびの塩漬けが載ったサイドメニューがまたおいしい。
実は東京にも支店がある。スマル亭は茅場町に、鐘庵はおっとさんの家の近く、大塚にある。その大塚店には何度か行ったことがあるのだが、そこでは売りだったはずの桜海老のかきあげよりも、牛丼やセットものが売れるというらしい。確かに桜海老のかきあげそばやうどんを食べようとすると、1コインでは済まなくなる。店の左右にバーミヤンと富士そばに囲まれていては、味よりも値段で勝負しなければならないのかもしれない。しかしやはり味で勝負してほしかったというのは、ファンの一人だから思う勝手な気持である。
まあうどんで言えば、麺通団がおいしいのだが、たまに桜海老のかきあげそばに駿河丼が食べたくもなる。秋のキャンプミーティングではまず確実に食べるのだが、桜海老という季節の味には魅力がある。そしてわさび醤油をかけた丼は、まさに日本の味でもある。
丼という小さい器の中に、沢山の世界が展開する。私はこの丼を使った料理が好きだ。
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3 Responses to “桜海老踊る”

  1. のだて より:

    由比のあたりで、桜海老のヒゲだけを集めたかき揚げがあるとかないとか。
    食べたことありますか~?

  2. よんきち より:

    のだてさん、コメントどもー。(^-^)
    えー?知りませんでした。あの髭って結構痛いんですよね。なんでも髭って捨てられる事も多いみたいです。
    でも髭だけを集めた…ちょっと興味ありますね。由比のあたりはいろいろ面白いお店ありそうですが、くー連れだとスマルが楽なんですよね。くー見張りながら食えるし。(^_^;でも味は鐘庵がいーな。
    支店がまだ潰れずにおっとさん家近くにありますよ。(^_^;

  3. 静岡県名産:桜えび(駿河湾)

    駿河湾の地形や気候は、桜えびに最適で、餌となる植物プランクトンなどが豊富な駿河湾の名産品です。駿河湾周辺でも多少は生息されているようですが、静岡県の駿河湾でのみ…

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