丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

シーズンイン

yonkichi, · カテゴリー:

7月8日には塾長、そして今日はシェフが丘にあがった。皆15年以上前から、この丘にあがり、ひとときの自分だけの時間を楽しんできている友人だ。そして、私もその一人。知り合いにならなかった旅人の中にも、大勢この丘に何度もあがり、自分だけの時間を楽しんでいた事だろう。
同じ時期に天幕を張ったからといって、会話を交わす事は極めて稀だ。よほど近くに張っているか、偶然話をするタイミングがあったか、ハイジーのカウンターに同じ時間座っていたかなどの条件が揃わないとなかなか相手が何者かなどはわかるものではない。ましてや、私もそうだったが、知り合いになるまでは何年かかかる事もある。
私によんきちという呼び名がついたのは、開陽台に通うようになって4年目。それまではそっと天幕を張って、近くにいた旅人と一緒に摩周湖で泳いだりしていた。2年目に偶然にも妙に気があったのがしいたけ兄だった。ビッグシングルのホンダとヤマハというバイクという事もあり、仲良くなって、丘を降りたあと霧多布岬で落ち合い、バンガローでまた語り明かしたという事が、その翌々年に再会した時にキャンパーネーム頂く事に繋がった。
97年に発売された、アウトライダーの別冊北海道で、スージーさんとねぎさんにインタビューされた時に、お気に入りの場所と、お気に入りの仲間に逢う為に、開陽台に行くという事を言った。つまる所は、景色と人の為に、旅をするという事。うまく伝えられなかったのだが、どちらが欠けてもだめなものである。ただ人に逢いに行くのではなく、そしてただその場所に行くだけなのではない。そこに行くと、誰かがいる。そしてあの風景があるから行くのだという事なのだ。
94年に大きく変貌した開陽台は、確かに当時ショックだった。ハイジーの閉店の夜、氷点下の風が吹く中、建設中の建築現場に入り込み、積んである健在をどれほど恨んだ事か。そして風の音だけの中、一人仰向けに寝ころがり、いつもと変わらぬ星空がそこにあった時にあふれた涙も、忘れる事はできない。
多くの友人が、まだあの展望台を許す事ができていない。その気持ちはよく分かる。私も新しくなった開陽台に初めてあがった時、誰もテントを張っていなかったのに、一番手という気持ちにならず、すごすごと丘を降りた時、二度とここには来ないかもしれないと感じた程だ。たかだか北海道のある場所がリニューアルしただけなのに、なんでこんな気持ちになるのか、きっと殆どの人は分からないだろうと思う。
その1か月後、今開陽台の星空の下にいるシェフが、「やっぱりここはいい所だよ」という一言を私に言った。それがきっかけになり、あまり気が向かなかったが、とりあえず一度、天幕を張ろうと決心し、あらためて丘に向かった。あとでどうするか考えればいいじゃないか。そう思いつつ。
馬の背を越えると、どうみても違和感のある巨大な建造物が、武佐様の姿を汚しているように見えた。停まらずにトイレ横の側道を一気にあがる。少々やけ気味に、アクセルをワイドに開けると、MT21が轍をほじくった。少しづつ視界が開けてくると同時に、アクセルを戻しながらサイトをみると、そこには自分がこだわっていたものを振り切る姿があった。それは、しいたけ兄のテントだった。
その夏、じみおと、レイ、そして今は亡きリュウの姿だった。
丘の時間が戻ってきた。リュウはいないけど、今年もその夏はまた繰り返しやってくるはずだ。
私にとって、21年目になる今年の開陽台の夏がやってきた。
写真はその94年の夏、変わってしまった開陽台にこれからあがり、テントを張ろうと決心したが、そのままストレートにあがる事ができずに、遠回りしたり写真を取ったりした時の自分。
20050721.jpg

2 Responses to “シーズンイン”

  1. うりちゃん より:

    ハイシーズン到来。
    道内ナンバーのバイクが怖いわ~(^_^;
    すごい上手な人2割、中庸がなくて残りはへたっぴなのさ~(^_^;
    なのに飛ばすんだ~これが。
    峠で道内ナンバーに絡むと怖い(T-T)
    直線&高速コーナーは速いけど、タイトなコーナーはメチャ遅い人が多くて、こっちはどう対処していいのか分かりましぇ~んヽ(`д´)ノ
    私は最高速は80キロに抑えたいし、直線とかで飛ばしたくないんだもん。
    免許惜しいし(笑)、ワゴンR、長く乗りたいから。
    明日からニ~三日、斜里方面に行ってきます。
    ジャガイモの花が満開だって聞いたんで。
    (*^_^*)

  2. よんきち より:

    うりちゃん
    そうそう、昔からそうなのかもしれないけど、2000年位から妙にデカいバイク乗ってるくせにフラフラしていたり、意味不明の加速や原則したりするのとよく遭遇します…別に景色みているとかそういうのでもないんですよね。また高価な外車のカップルとかもよくみかけますし、バイクから降りていきなり携帯メール打って、一言もしゃべらずに走り出す人も…逆に汚いオフ車で積み方なっちゃいないパッキングのツーリストは減ったかも。(^_^;
    道内の交通ルールは、やはりTPOをうまく使う事ですよね。巡航速度は私は70~80km/hが多いかな。対向車線ハミ出しでの事故とかも多いですよね。知床峠でバス1台燃やした子もいましたし。デカいバイクだとすぐにスピード出ちゃうし、今は殆どがリッターバイクだから、しっかりコントロールできない子が目立つのかもしれないですね。自爆は仕方ないけど、相手を巻き込むのだけは勘弁して欲しいものです。
    お、明日からいよいよ寿司ツアーですか?今、開陽台にシェフがいるらしいですよ。塾長もひそかに丘にあがられていたようですし。そろそろみんな、ひっそりと丘に向かう季節なんですね。気をつけて、よいランを。(^-^)
    私は明日は会社デス…(T-T)

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