丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

雨の足寄峠

yonkichi, · カテゴリー:

夕立の豪雨の中、職業ライダーが町を走り抜けていく。正直あまり美しいライディングスタイルではないが、彼らはどんな天気だろうが走らなければならない。
ただ町にはマナーもへったくれもない無茶苦茶な運転のスクーターも目立つ。ラジオでは、最近バイクの事故で多くがヘルメットの顎ひもを締めないで重大事故になる事が多いので、しっかりと締めましょうというコマーシャルすらしている。
自分の命を粗末にするのは、自分の人生だから別に誰も干渉しないが、周りかける迷惑度というのはとんでもなく高い。それこそ何も影響がなくても、近くを通り掛かった人でさえ、気分が悪くなる訳だ。はっきり言って迷惑千万以外何者でもない。
職業ライダーのような強制力もなく、無法者ライダーのようなポリシーのない乗り方でもないツーリストは、マイペースだが実はとても風景に溶け込める能力を持っていると思う。
雨であれば、雨の中にいる事が一目でわかるスタイルで、晴れていれば刺すような日差しの中で光っている彼らは、旅という中で、その地に溶け込んでいるのだ。
私ここ1~2年は走っていないのだが、まだまだその血は薄らいでいないと思っている。乗ってナンボのものと言われる事もあるが、私は降りたつもりもないし、今でも旅に心ときめく。バイクをみれば、あの足元にある鉄のカタマリが唸りをあげて右手の動きにリアルに反応するノイズが聞こえる。雨の中走る時の、全ての音がどこか雨に溶け込んだような鈍い響きを思い出すのだ。
雨の中を走るのは好きではないが、旅で雨の中走った時の事は、晴れの日よりもリアルに思い出せたりする。由と一緒に石北峠を越え、北見に入る手前で降り出した雨を避けようと、レインウェアを着る納屋を探した時。濃霧でコンペシールドが濡れ、30秒ごとに左手の人指し指を使って水を拭いながら走った百人浜付近、ずっと雨に振られ、7泊の間一歩も丘を降りる事ができなかった開陽台での傘でテントとハイジを往復した日々。そんな辛かったけど思い出深い雨の情景は、こうして今でもはっきり思い出せる。
梅雨時の旅人に、全ての雨のツーリストに、幸あれ。
写真は苫小牧にフェリーで朝6時に上陸し、ひたすら走り続け、10時01分に足寄峠の手前で強い雨に降られた時のもの。レインウェアを引きずり出して、着用したあとに撮影。
これから阿寒温泉街脇を抜け、阿寒峠を下り、弟子屈を抜け、開陽台へ。サイト脇に到着したのは11時30頃だった。デジタルカメラでは、日付は入れないが、データのプロパティを見ると、日付と時間が正確に分かる。
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3 Responses to “雨の足寄峠”

  1. のだて より:

    北海道の道路は轍が深いので、雨の日に走るとトラックやバスの水の跳ね上げでどろどろになり、また風圧としぶきでハンドルを握る手が固まります。
    何度も何度も怖い思いをしながら走ってきたので、車で移動中に旅のバイクやチャリを見つけるとできるだけストレスを与えないように追い抜きます。
    彼らには聞こえないけれど、がんばれよぉ~と声をかけながら・・・。
    熊の湯で1週間雨に降られた時は羅臼のコインランドリーでまったりとした時間を過ごしました。
    その後、晴天の和琴に案内されて極楽浄土と思いましたね。(^^ゞ

  2. より:

    雨が降りしきる中、テントの入り口をあけて日がな一日、丘の草に咲く無数の雫の花をを見ているのが好きだった。
    雨の中、これから走るのかと思うと気が重いが、走り出してしまえばそれほど気にならなくなってしまう。
    夏でも指がかじかんでしまうほどの気温になる北海道の雨はつらいが、そんなときでも、すれ違う同じようなライダーからピースサインをもらうと心がポッと温かくなったりもする。
    いつだったか信州奥飛騨に紅葉を見に行ったときだ。キャンプ夜半にどんぶり(バケツ?)をひっくり返したような雨になり、翌朝ゲンコツのような雨の中、ぐつぐつと沸騰しているかのような路面を走り出せば、雨と霧のフォギーを透かしてさえ鮮やかな、いや、かえって妖艶で神秘的な景色に土砂降りの中、バイクを止めてずぶ濡れになりながら、いつまでも見ていた記憶がある。
    残念ながら傘はなく、バイクには雨をさえぎる屋根もなくカメラを出すことはできなかったが、今でも色あせることなく心に残っている。
    雨もまた善し。

  3. よんきち より:

    のだてさん
    幹線道路は結構トラックのせいなのか冬のせいなのか、轍が深くできている事がありますよね。そこを雨の日バイクで車線変更するとハンドル取られて…なんて結構あります。
    あとすれ違う時に音速を越えるように(越えた事ないけど)、対向車のダンプやトラックの雨しぶきが相対速度効果で5秒くらい前が見えなくなる事も…車なら視界だけで済むけど、バイクだと結構なショックなんですよね…そんな事トラッカーも考えている訳もなく、カッ飛ばしてますが…。
    チャリツーリストをみかけると、私も必ず応援します。手だけでなく、声もできるだけかけます。何度か旅先で出会ってチャリダーと話をした時、辛いけど何もされないより、ピース出して貰ったりする方が何倍も嬉しいと言っていたのを聴いて、必ず何かしら応援するようにしています。敬意を込めて…。
    和琴は本当に極楽なようですよね。開陽台に張る人はマゾだとよく言われましたけど、でもいいんだよなあ>開陽台。(^-^)懲りない面々。
    せんせい
    開陽台で雨降られると、ほんとテントとハイジの往復だけになっちゃうよね。(^_^; でもそれはそれで嫌いじゃないです。よくカメの軒下で雨に煙る丘をじっと眺めていたり、前室を雨が入り込まない程度に開けて、乳白色の丘を見ながら持ってきた小説を読んだり、コーヒーを沸かして飲みながら手紙を書いた事も思い出します。(誰に?(^_^;)
    でもね、やっぱり雨は停滞日だけにしてほしい…(^_^;移動とテント設営、撤収の日は降らないでほしいです。

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