丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

異国でのカツ丼

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

海外に行くと、よく日本の味が懐かしくなる、という事を聞く。
私も事実そんなに長期間、バックパッカーをした事はない。せいぜい2週間強といった所だ。そういう時はできるだけ現地の食事を食べるが、日本料理よりもワールドワイドでほっとできる味は、実は中華料理だったりする。そう、日本料理はたらめな味付けであったりする可能性も少なくないのだが、中華はどの国で食べても大抵中華なのだ。偉大なり中華料理。
私はカツ丼が好きだ。日本の味と言える醤油、味醂、砂糖、そしてお酒といった主要調味料を使う、俗に言う玉子とじカツ丼と、カツライスをそのまま丼飯に持ったソースカツ丼とどちらかといえば、前者がやはりベースだ。
カツは自分で揚げていると結構疲れる。料理は嫌いじゃないが、片づけるのが時間かかる料理はあまり好きではない。元々キャンパー料理である。洗い物を最低限で、盛りつけなんかどうでもいいという意味では、丼料理に相通じるものがあるのかもしれない。
さて、ヨーロッパは4カ国(トランジットを入れれば6カ国)、アジアは4カ国をバックパックに荷物を入れて旅をした事があるのだが、その中で日本食の思い出をひとつ。いろいろあるのだか、とりあえず今回は中国南部の雲南省であった話。
雲南省の昆明には、実はJAS(現JAL)が関空(関西国際空港)から直行便が飛んでいる。ネパールのカトマンドゥにも、RA(ロイヤルネパールエアライン)の直行便が飛んでいるが、少しでも安い航路という事で、UA(ユナイテッド)とTG(タイ国際航空)をバンコク経由で乗り継いで行ったが、雲南へは日系航空会社で安心の航路となった。
昆明をベースに、是非いきたかった麗江と大理をゆっくりと楽しんだのだが、バックパッカーズパラダイスと呼ばれる大理には太白楼というカツ丼が素晴らしく旨い店があるという話を聴いてから、是非行ってみたかった。定期購読している旅行人という冊子の読者の間でも大理のカツ丼の話は有名なのだ。
この話を知ったのは、以前地平線会議という団体で、ボランティアで本を作るのに協力したり、若い冒険家の裏方でPCのサポートやウェブサイトの作成・運営をやっていた頃。アドベンチャーサイクリストの安東浩正さんと知り合った。というか、代表の江本さんに紹介され、挨拶しただけなのだが。その前から、安東さんの素晴らしい冒険の本、チベットの白き道を読んでいて、この太白楼のカツ丼の話が出ていたのだった。
実際に麗江から大理に移動し、町に入ると、暗いイメージだった。バックパッカーの姿も少ない。しかし、この大理滞在中に私は太白楼とチベタン・カフェで念願のカツ丼を食べたが、味付けや米の炊き方などに差はあれど、あっぱれなカツ丼だった。こんな所でこのような味に出会えた事は、少々感動ものだった。
大理はその名の通り、大理石の採掘で有名だ。13世紀まで大理王国の都だった大理古城や風光明媚なジ海、歴史的な建築物である三塔寺など歴史もある町だが、何より雲南ならではの少数民族が純粋な漢民族と違った伝統や文化を持って生活している。ペー族のテリトリーになるここ大理は、日本語が使えるネットカフェもある、バックパッカーの集まる町でもある。
しかし私は帰国前日になって酷い風邪をひき、逃げるように帰国した。帰国したあと、会社に復帰できず、続けてまた1週間、休んでしまったというオチがある。
これが憧れの太白楼カツ丼。是非、ご賞味あれ。
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4 Responses to “異国でのカツ丼”

  1. せんせい より:

    ワシもカツ丼大好きである。行きつけの豚カツや屋で週に1,2回は必ず食っている。
    高校のとき、働きながら一人暮らしをしていたのだが、ある月、食費に回せる金が5000円しかなかったので、近所の食堂で500円のカツ丼を3日に一回食った。間の2日はもちろん絶食。自炊とか、インスタントラーメンとかは考えられなかった。馬鹿ですな。

  2. よんきち より:

    そういうキャンパー的な発想、さすが先生ですな。後先考えずに食いたいものを食うとか。(^_^; 丘で天幕生活していると、そういうネタ沢山あって純粋に楽しいよね。バカな事ばっかりしていて。今日は東武の一の市だから野菜ギョウザを買おうとか、かあさんに折り込みチラシ貰おうとか、ホンコン今日は安いとか。(^_^;
    カツ丼の魅力って何なんでしょうね。カテゴリつくれそうな程ネタが出てきたりして。(^_^;
    そうそう、この人もカツ丼というか、トンカツマニアです。
    http://homepage3.nifty.com/jinjinsan/itta/itta.htm
    私もカツ丼以外、単なるカツライスも大好きです。特にだぼだぼソースとカラシで食べるのがよろしい。すりごまも魅力的。

  3. 女神さま より:

    旨そう~。
    実はワタシもかなりカツ丼好きです。
    実際はあんまし食べませんが(笑)
    例えば、歯の治療とかしてて完治するまで食べたいものが
    ろくに食べられない時など、
    「治ったら絶対にカツ丼食べよう!」ってすごく思うんです。
    とにかくカツ丼じゃぁ!ってなんだか思ってしまいます。
    小学校の時に、国語の教科書に……内容は忘れたけど、
    山の食堂でカツ丼を食べるシーンがありましてですね、
    その食堂で久し振りに食べたカツ丼は彼女が覚えている味ではなく、
    物不足に連れて、味がしょっぱくなり、カツ丼が薄くなって……みたいな
    文章が載っていたことがありまして。
    それを、未だに覚えているんですよ。
    自分の中ではカツ丼って、すごくゴーヂャスな贅沢なイメージなんですね、それ以来。
    カツライスというのかどうか、南軽井沢はレマン湖というリゾート地の近くの
    某喫茶店で食べたカツ重は旨かったです。
    長野の美味しい米と水で炊いたホカホカご飯の上に、
    これまたみずみずしいキャベツの千切りがたっぷりのって、
    その上にジューシーなトンカツがド~ン!で、ソースかけて食べるんです。
    そういえば、昔R社という会社で営業してた時、
    近所の弁当スーパー(笑)みたいなところでかった、
    じゅくじゅくに汁に浸っている、柔らかいカツ丼がありましたが、
    あれはあれですんごく美味しかったです。
    東京ってトンカツ屋が多い、っていうイメージですが、
    それはもしかしたら、こっちに来てから美味しいトンカツやカツ丼に
    よく巡り合えているせいかもしれません。

  4. よんきち より:

    わわ、カツ丼好きな人多いんですね。(^_^;女神様なんか、濃いものは食べないと思っていました。
    そうそう、何か自分にご褒美じゃないけど、ご馳走っていうとカツです。子供の頃テレビとかでは「今夜はスキヤキね」という感じで、ご馳走=スキヤキっていうのが定番だったかもしれませんが、私はカツです。キマリ。(^_^;
    カツ丼及びだぼだぼソースのカツ丼…うーむ、だから体系が年齢と共にヤバイ事に…最近はランチョンにならって毎日大豆系(豆乳や納豆)をまめに摂取するようにして、炭水化物を減らしています。
    教科書にカツ丼が出ていたんですか…一杯のかけそばみたいな話…ちゃうか。(^_^; 長野のカツ丼はソースカツ丼ですよね。玉子で閉じるタイプもあるみたいですが、どちらも好きです。汁ダクカツ丼…牛丼屋で汁ダクとか小心者なので頼めない私です…
    でも我が家で手作りカツ丼は出ませんよ。カツは買ってきちゃう方が楽なんで。(^_^; 最近オリジンが近くにできたので、ちょっと嬉しい。あとはタマネギとタマゴがあればいいんですから楽です。三つ葉とかしいたけのとかはある時だけです。
    いつも訳わからんネタにコメントありがとうございます。m(__)m

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