丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

幸せの黄色いハンカチ

yonkichi, · カテゴリー:

ご存じ、山田洋次監督の映画だ。山田洋次監督と言えば、「男はつらいよシリーズ」でひとつの邦画の時代を築き上げた方であり、また最近では2002年に監督を勤めた時代劇作品「たそがれ清兵衛」は、2004年度のアカデミー賞にもノミネートされた事が記憶に新しい。
山田洋次監督は、北海道を舞台にした人情溢れる映画をよく撮られていた。その中で、中標津は開陽台も舞台のひとつに選んだ「家族」という映画もあり、私にとって邦画においてとても興味のある作品を多く手がけられている。そのひとつ、「幸福の黄色いハンカチ」という1977年の映画が、今日デジタル・リマスター版としてテレビで流れている。それを見ながらこれを書いている。
当時の北海道の町や風景が映画の中に残っている、数少ない作品だ。若き日の高倉健が主役で、同監督の作品では何度もヒロインを勤めている賠償千恵子、武田鉄也や桃井かおりが脇を固める。当時ベストセラーとなったマツダ・ファミリアでロードムービーよろしく、道東から道央へ旅をしていく。
かの有名な倉本聰監督の北の国からは、ご存じの通り富良野を舞台に大ヒットしたドラマである。ストーリーの重さよりあまりに日本離れしたロケーションのせいか多くの旅人を富良野へ誘った。北海道というのはやはり寒い北のイメージからか、演歌に近い暗さと深さが似合うのかもしれない。
私が北海道を深く感じたのは、以前書いたかもしれないが、炭鉱の町に立った時だった。それは夕張ではなく、上砂川だったが、夕張はどちらかというともっとメジャーな炭鉱の町で、当時どちらの炭鉱もまだ稼働していたので、繁栄のあとは残っているだろうという勝手な解釈だったのだが、その後夕張をしっかり見ようと思って訪れた時、上砂川よりもはるかに大きな衝撃を受けた。その繁栄から過疎へのギャップを町のあちこちから感じられたのだった。これも北海道の歴史そのものなのだろうと。
今回あらためて見て気づいたのだが、夕張に入る前、銀座カンカン娘が歌われているシーンが、なんと悲別ロマン座の前でのロケだったようだ。私はこの悲別ロマン座で最初の波におそわれた。中には保存が進み、中にも正式に入れるようになっているようだが、当時は足の踏み場もない程崩れており、中に入るには危険を感じた位だった。2度目に訪れた時は中央の屋根が崩落していたが、きわめて旧型の映写機が、映写室に残っているのをみつける事ができた。
この映画では、夕張の町の中は子供達であふれ、商店街はにぎやかに人々が行き交っている。これだけの人々がこの町で生まれ、育ち、そしてどこかに移っていったのだという事を考えるだけで、胸が熱くなる。
そして、この映画が作られたあと、エンディングの黄色いハンカチがたなびく長屋は、手は入れられているものの残され、誰でも自由にみる事ができるようになっている。建物の中は、沢山の黄色い紙に旅人のメッセージが壁や天井が見えない程貼られ、武田鉄也が運転したファミリアも収容されている。ベタな観光施設だが、今では訪れる人も少なく、静かに佇んでいる
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5 Responses to “幸せの黄色いハンカチ”

  1. 北海道を舞台にした映画の中では一番好きな作品です>幸福の黄色いハンカチ
    後日談ですが、ラジオで武田鉄矢氏が語ってましたが、当時運転免許を持っていなかった武田鉄矢氏 監督は当然持っているものと思い配役してしまったが、後の祭り。
     結局運転シーンは総て替わりの役者が行い、車から降りるシーンや運転シーンもレッカーしながらの撮影だったとか、今見てもそんな風には全く見えないから驚きです。
    ちなみに、鉄矢さん50過ぎてから運転免許を取得その時の体験が教習所物語になったとか(^^;

  2. せんせい より:

    で?「家族」と「遥かなる山の呼び声」は別物なのかな。後者しか見てないけど。やはり中標津が舞台の山田洋次監督の映画で、高倉健、倍賞千恵子、吉岡秀隆、武田鉄矢等が出演して、ストーリー的には黄色いハンカチの前編的なもの。ラストシーンで黄色いハンカチを渡すシーンあり。

  3. 女神さま より:

    「幸福の黄色いハンカチ」いいですね。
    ワタシも大好きな映画のひとつです。
    北海道が似合う役者ってのもいるのかな?
    吉岡秀隆クンは、「北の国から」歴が長いし
    子供の頃から演じているから、よけい
    そういうイメージがついちゃってるのかもしれませんが。。
    おっとさんの後日談、おもしろいですねー。
    もう一度観てみようかな、って思ってしまいました。

  4. よんきち より:

    うわ、コメントありがとうございます>みなさま。(^_^; 結構みんな好きなのねえ。
    そうそう、昨日テレビ放映されたとは書いてますが、私は「幸せの黄色いハンカチ」も、「遙かなる山の呼び声」も持っています。でも「家族」だけは持ってないんですよ…ちょっと前はVHSでしか売ってなかったんだけど、今はDVDが松竹から出たようですね。
    実は「家族」が一番見たいんです。開陽台の片隅に、家族の碑がいつ頃からか建ったんですが(前の水場のあたり。前はなかった)、その頃にここを舞台にした映画があったんだ、って思って気になってました。「遙かなる山の叫び声」上武佐駅が舞台になっていて、これまた私が開陽台に通いはじめた頃にはまだ中標津駅も上武佐駅もあって、感慨深い映画です。前フリという位置づけなのもききますが、実際は遥かなる~が後発ですので、狙っていたのかもしれません。キャストがリンクしてますが、ストーリー上は微妙に違っていてそれがまた作品として単なる続編っぽくなくていいですよね。
    最近の映画では、韓国映画の「猟奇的な彼女」の次に出た「僕の彼女を紹介します」が同じ位置関係にあったりします。映画的にはよくある手法なのかもしれません。ちなみに「家族」は中標津駅と開陽台が映画のシーンに出てくるようです。
    北海道が似合う俳優はいるでしょうね。結局こういう作品に出た人になっちゃうのでしょうけど、高倉健も鉄道員とかでもハマリ役でしたし、北の国からの俳優陣もやっぱりそういう目で私は見ちゃいます。放映が終了した優しい時間でも新しく富良野にピッタリくる俳優が増えてしまいましたし…
    あはは、じんじんさん&たなちゃんもあそこ行ったのね。冬もいいね。でものんきやはもうなくなっちゃったみたい。夕張の生き字引と言われていたおばあちゃん、もう亡くなっちゃったのかなぁ。夕張ネタはまだあるので、いずれまたネタにしたいと思います。
    夕張に訪れる時は、夕張ユーパロの湯に必ず寄ります。北炭化成の大煙突をみながら、今年も来たなーと思いながら、濁った温泉に入ると、炭鉱に生きた人々が癒した温泉に今私も入っているんだなと思えて、ちょっとドキドキします。