丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

神々の嶺

yonkichi, · カテゴリー:

ネパールが好きだ。この目でいつか、8000m峰を見上げたいと思っていた。ひょんな事から、その機会が訪れた。
その山を見るには、チベット側かネパール側のどちらかしかない。そして、実際に目にするまでは、何時間も、何日も歩いていかねばならない。それこそ神の領域といっても言い過ぎではないと感じていた。
この山に挑戦した人の中で、実際に登頂に成功した人とも言葉を交わした事もある。しかし実際にはその臨場感はわかる訳でもない。いくら、コマーシャル・エクスペディションとはいっても、私のようなものが参加できるものでもないというのは十分わかっている。自分ができる事は、この山々をできるだけ近くに行って、見上げる事くらいである。
この写真は、今はなきエベレストエアーのマウンテンフライトの小さい窓から撮影したもの。ナムチェ・バザール上空で大きく旋回し終わるまで、この神々しい姿をこの目で見上げる事ができた。右からクーンブ谷で象徴的な山、アマ・ダブラム(6814m)、ローツェ(8501m)、そして小さく見えるが、黒い南壁をさらすネパール名サガルマータ、チベット名チョモランマと呼ばれる、エベレスト(8848m)。その偉大な姿はそこに確かにあった。
タメルの雑踏も、ポカラのゆっくり流れる時間も、厳しいネパールの生活水準の上になりたっている事も現実だと思う。欧米からの観光客が、大きい態度で彼らの土地を闊歩する姿も実際に目にした。でも、彼らは何よりもかえ難い、素晴らしい地を持っている。ヒマラヤを囲む国々は、チベット仏教とその信者が幸せを願って日々を暮らしている。それこそ、後世の為に今の自分の人生を犠牲にして…
いつかチベット側からこの山々を見上げてみたい。写真は1993年の正月のもの。
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流氷きたる

yonkichi, · カテゴリー:

流氷がきている。この時期には毎年といっていい程、オホーツクに足を運んでいた。
北海道を旅する事は、またあらためて書く機会をつくるとして、11年前の1994年の今日、厳冬期といえる時期に、はじめてテントを張りにオホーツク海沿いへでかけた事を思い出してみる。氷点下20度を下回る世界。
寒いというよりは、辛いと言えるこの時期、車に装備一式を積んで、浜小清水でテントを張り、数日過ごした。張った場所がよくなかったのか、寝ていて気がつくとテントの容積が妙に減っていた。そう、風で雪が舞い上がり、テントの上に積もって押しつぶそうとしていた。真夜中にヘッドライトの明かりを頼りに、スノースコップでテントを掘り起こす。
辛いというより、楽しかった。流氷はずっとそこにあるように、海がある所にぎっしりとひろがり、水平線の向こうまで白く染めていた。
きっと今、こんな風景が広がっているんだろうなあ、とふと思う。行きたいけど、天幕を張る事を楽しめる時間は残念ながらない。しかし、時間がないのであればないなりに、別な楽しみ方もある。
何とか今シーズンも行こうと思い出した所。さて調整できるだろうか。
この写真は1994年2月。後ろのエスパースが私の家である。
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