丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

いきつけの鮨屋

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

これまでもチラチラとその存在を書いていたが、いきつけの鮨屋が道東にある。あえてその店名を公開しないのは、当然大事なお店だからだ。なのでお店を知りたい人にはメールで教えている。
私や由は鮨が大好きだ。そして、一番訪れている鮨屋は自宅や職場の近くではなく、遠く北海道は道東の鮨屋なのである。その場所や店名はあえて伏せるが、既にそのお店を知って7年位経つのだが、今でもダントツに旨いと今でも思っている。そして何より安いのだ。
おいしい鮨を食べるなら、銀座や赤坂などで多額のお金を出せば食べられるのかもしれない。しかし持論としては、高いお金を払って旨いものを食べるのは簡単だが、いかに安い値段で旨いものを食べる所に意義があると私は思っている。その支払う額が安く、おいしいものというギャップが大きければ大きいほど、その喜びは大きくなる。そう、単なる貧乏性なのかもしれないのだが…
季節柄、裾の旨い時期というのは今だと思っている。真夏の鮨よりも秋から冬にかけての、地の魚というのは日本人に生まれてよかったと思える食べ方である、鮨の完成度が高まる。それは縁側であり、生タラバであり、厚岸のかきであり、ほたて、ソイ、サーモンなどが顕著にその味の力を発揮してくれる。
またここに来るようになってから知った、炙り鮨というのがまた絶品なのだ。折角鮮度のよいネタに火を入れる事自体がちょっと抵抗もあるのだが、そのおいしさを知ってしまったらもう頼まずにはいられない。特にサーモン、ホタテ、縁側が素晴らしい味を表現してくれるのだ。
最近は1回の旅で2度以上訪れるほどになってしまった。ここ数年北海道は道東に訪れる場合はまず確実にそうしている。それだけ値段と味のギャップが大きいのだ。それも嬉しい方に。
今回由のお母さん、叔母さん、妹さんをその鮨屋に連れていった。皆、瀬戸内沿いの神戸の人なのでおいしい鮨はよく食べている。関西の人の多くは舌が肥えていると私は思っているのだが、みなさんにこの鮨屋を評価して頂くというのも、ちょっとした楽しみだった。
今回道東の2カ所の鮨やに行ったのだが、やはり予想通り、私の行きつけの鮨屋の評価はダントツに高かった。格が違うというのだろうか、何でここの鮨はこんなにおいしいのかと思える程、期待を裏切らない。ただちょっと今回は縁側の質がイマイチだったのだが、それでも標準以上。メニューも豊富なので、飽きない。また必ず頼むもののひとつとして、あら汁が挙げられる。これも素晴らしくおいしい。
直線にして1000km以上離れているこの地の鮨屋に、もう20回以上訪れているだろう。おいしいお店というのは、時間がたつと味はおちていくものなのだが、ここはそれをよい意味で裏切ってくれる。
我が家から気軽に行ける範囲に、新宿の北澤倶楽部や沼津港があるので、たまに行くのだが、特に前者は高く、雰囲気はなんだかあまりよくない。もっぱら後者の方でお茶を濁すのだが、まあそれなりの味を提供してくれる。また静岡にディスクなどで遠征に行くと、魚がし鮨チェーンにも顔を出す。鮨はやっぱりおいしいのだ。
さて夏にまた北海道にいく時に、何を食べようか。まだまだ健在でいてほしい度ナンバーワンのお店なのだ。
写真は炙り鮨の例。思い出すとまた食べたくなる。ホタテ、サーモン、鯖、マグロ、縁側の5種。
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イクラ丼の夜

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

友人からイクラを頂いた。
正確に言えば、和琴ミーティングに集まった皆への差し入れだったのだが、以前の日記の通り、私はディスク大会に出ていたので、夕食を外で済ませてきたのだった。その時に集まった友人に振る舞われたのだが、私たちは食いっぱぐれていた。
事前にもしもできるならちょっと残しておいて欲しいという事を、和琴のおっとさんに頼んで置いたのだが、それを今日わざわざ届けてくれた。ありがたや。
北海道ではイクラはシーズン、結構たやすく手に入る。とはいえ、やっぱり醤油漬けを作るとなると手間がかかる訳で、おすそ分けをして頂く時位しか口に入らない。または高いお金を払って、お店で食べるという事になる。
釧路の和商市場の田村商店で、瓶詰めの醤油漬けを買ったり、また白いごはんを買って、載せて貰って食べたりしたのだが、釧路から船に乗る事もなくなった今、それだけの為に釧路にいく事もなくなった。たまに釧路空港から出る時は、六花亭やなごやか亭をまわると、もうイクラ丼どころではない腹の状態となってしまうので、鮨好きな私にとっては、なごやか亭を取ってしまう。
同時に和商市場のクオリティの落ち方で、あまり魅力を感じなくなったという事もある。80年代後半から90年代前半にかけては、本当にオトク感が高い「勝手丼」が存在していたのだが、値段的に魅力がなくなってしまい、もうわざわざ味気ない発砲スチロールの丼を手にする事もなくなった。それこそ300円で丼に入りきらないほどの甘エビや、ホタテなどを持ってくれた時代はもう過去の事だ。
私は牡蠣や雲丹がいまいち好きではない。食べられないという事でもないのだが、どうしても食べたいという人からすれば、嫌いという分類に入ってしまうだろう。しかしイクラは昔から好きだった。
イクラ丼にする時も、白い炊きたてのご飯に盛るよりも折角家で食べるのだから、鮨飯にして、その上にたっぷりと焼き海苔をかけ、その上にどっかとイクラを載せた。それだけでは寂しいので、馬鈴薯がなかった為紅芋で代用した豚汁を添えて、豪華な夕食となった。
ちょっと遅いが北海道の味を堪能。粒がしっかりしていて歯ごたえのあるイクラは、やっぱり内地ではなかなか高くて食べられない。
友人に感謝すると共に、自然への恩恵にも感謝。
写真はイクラ丼をはじめて食べた年の、釧路ツーリングトレインのプラットホーム。寒さに震えつつ、和商市場の海産物で、一晩を一緒に過ごした旅人たちと乾杯をした。
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アイスの季節

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

暑いと頭の片隅で「やめとけ」という声がかすかに聞こえるのだが、アイスクリームやアイスキャンディーを食べたくなる。別に酒飲みでもないのだが、甘いものも塩辛いものも、まんべんなく好きだ。ただ、単に甘いだけのものとかは苦手でが、和菓子だろうが洋菓子だろうが、嫌いではない。いや、好きと言ってもいい。
お酒のつまみとしてもあうアタリメやから揚げなども大好きなのは、私の父親が酒が大好きで、わさびや醤油をたっぷり使う人だったので、似てしまったのかもしれない。とはいえうどんなどは塩分が控えめでダシの効いたものがうまいと思う。単にしょっぱいとか甘いものが好きなのでもない。
真夏の蒸す夜に、スーツにネクタイという格好で、新橋の線路下の居酒屋で飲んだりする事も昔はあったが、最近はとんといかなくなった。付き合いが悪いといわれる事もあるが、やはりアルコール分を採るとすぐに発作がおきてしまうような事もその理由のひとつだ。でも今だに単純に暑い日に内側から冷却するアイスクリームやキャンディーは夏の常備品でもある。
よく涼しい開陽台でも、カメハウスではよくアイスを買った。しいたけ兄やまめも甘いもの大好きなので、よく一緒にそれも100円アイスなどの安いものばかりだ。ここ最近はその頃の私なら考えられない高級なアイスを食べる事も少なくない。今はなきFIC北進台のソフトや、ラ・レトリくりーむ童話のジェラートなどはよい例だ。ダブルなんていうのもめったに頼まないが、ありだと思っている。
しかし、昔の旅スタイルでは、2食分位に相当するジェラートを食べるなんていうと、数日はホンコンヤキソバで暮らす事になりかねなかった。風通しのよい涼しい場所が日中ない開陽台では、乾麺やレトルト安い時に買いだめしておくのだが、たまにする贅沢という中でも、高価なジェラートはなかなか手が届かないご馳走だった。何年かして、和琴の兄貴をおだてて、しいたけ兄とフジワラ君と3人分、究極に限りなく近いご馳走だったチョコレートパフェをおごって貰って食べた旧店舗一番奥のボックス席の夏を思い出す。
最近は季節を問わず、道東を訪れる時は必ずくりーむ童話には立ち寄る。ベースが札友内の宿か和琴になってしまうので、風呂に入りに行くついでにでも寄れるし、寿司屋に行く途中でもあるので、寄らずにはいられない。ラ・レトリにはめったにいかないのだが、真冬でも道東には個性的なジェラートがあって楽しい。
今年になって、開陽台ハイジーの家で、バスターミナル前のジェラート屋、りすの家のメニューを取り扱うようになったらしい。どんな味なのかわからないが、当然味見はしてみるつもりだ。酪農の町、中標津ではFIC北進台が後継者問題で事業撤退してしまったし、ラ・レトリもそんなに特別な味でもない。でもきっと近くを通りかかったら寄ってしまうんだろうなとは思う。
東京の我が家でも冷蔵庫には私が買ってきたアイスが入っている。殆どがコンビニで買ってきた安いアイスばかりなのだが、子供のようにあれば食べてしまう意志の弱さはこの歳になっても変わらない。体の為にも採りすぎはよくないので、セーブしないとならないのだが…最近だとおっとさんが好きなしろくまが一番近いコンビニにあるのでよくストックされている。
いい歳になったのだから、旅先くらいではちょっとした贅沢は許されるかなとは思う。ただ海外のように、貨幣価値が違う場所では、逆に贅沢や甘さが相手に失礼になってしまったり、悪い結果に繋がってしまう事もある。国内限定という意味では、折角旅に出たなら、その場所でしか食べられないものを、味わう事はよい事ではないだろうか。
100円、10円を削って、日々を生活していた時代があるからこそ、許されるのかもしれない。逆にそういう歳になってしまったと悔やむ事もあるが、ストイックな旅の日々をもう一度というのも、いつかまたやってみたい。実際に財産も失い、スッテンテンで旅出る事があるかもしれない。明日は誰にもわからないのだから…
写真はご存じ、くりーむ童話のジェラート。色々な味が楽しめて楽しい。
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