丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

Hill Breeze

Hill Breeze

時には斜面を駆け上がり、なだらかな勾配を一気に駆け下るように。
時には熊笹を揺らし、空に吸い込まれていくように。

丘にはいろいろな風が吹いている。
空はいろいろな表情をみせる。
暑さも寒さもその時々によって違い、同じものはない。
私は1985年から丘の上で天幕を張り、数日から数カ月を過ごした旅人の一人。

2003年1月。我が家に家族が増えた。尻尾を残したコーギーの女の子だ。
それからは一人旅よりも、家族で行く旅に形が変わった。
だからといって一人旅をやめた事ではない。その時に自分がしたい旅をしただけ。

その愛娘も早くして一人旅に出てしまい、しばらく時間が必要ではあったが、
成犬で同じく尻尾を残したコーギーが家族になった。
旅もモーターサイクルも家族も、みんなどれも欠けてはならない大事なもの。
日本各地での旅や丘での時間は、今の自己の存在に繋がっている。

そう、丘を駆ける風のように、今も私はここにいる。