丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

ひとつの頂点(7台目)

yonkichi, · カテゴリー: バイク

私の車歴シリーズも漸く半分を超えた。
どれも思い出深い相棒だが、7台目になるこのバイク、私のワクワク度の高さで言えば1~2位を争う車種だったりする。
ZX4-G1、KDX200SR-1と同時所有の時期、とうとう限定解除に挑戦を開始した。仕事もそれなりに忙しい時期だったが、府中自動車試験場近くの杉本二輪練習所に、時にはごまかし、時には休みを取って通った。当時限定解除試験の予約が1カ月に1~2度取れればよい方だったので、試験の前の週に1時限、試験の直前に1時限乗るようなサイクルで練習を詰めていった。
丁度試験に通っている最中、ZX4が友人経由で離れていった。どちらかというとインラインフォー400オンロードの方が、普段練習になったのだが、乗れるバイクが2stオフ車だけになってしまう。同時に試験に絶対に合格するようにと、自分を追い込む為に最終型と噂の高かった900ccの憧れのバイクを予約し、週末にはショップに眺めに行くか、試験に行くかという事もあった。
結局、限定解除は6回、12時限の練習で合格。その回に合格した人は、100人以上受けて2人だった。免許の裏に限定解除の判を貰って練習所に挨拶に行くと、君は今日受かると思ったと言われた。教官とその時知り合い、同じ試験を受けた人から、朝から乗りに乗れていたと言われ、とても嬉しかった事を思い出す。試験の帰りは、嬉しくて信号が変わる毎にホイールリフトしながら家に帰り、午後から仕事に出た。
その事を会社の同期に言うと、それまで乗っていたナナハンをお祝いにくれるという。彼のバイクはSUZUKI GSX750S1。カタナと呼ばれるスタイリッシュだが結構なオールドバイクだ。鹿児島出身の彼は、今の会社に入社時、鹿ナンバーのこのカタナで上京。箱根や伊豆を一緒に走った仲だった。その彼は、いろいろな理由により、バイクを維持できなくなり、処分したいという事だった。ただあまりにお金がないという事なので、申し訳程度で2万円で譲って貰った。
彼のバイクを受け取りに会社の寮に行くと、至る所が錆び、エンジン音もバラバラとタイミングがあわず(あとでわかった事だが、1気筒死んでいた)、ミスファイアまで起こり、何度もエンストしながら乗って帰った。その時の嬉しさというのは、900ccが手元にあるにもかかわらず、ずっと興奮しっぱなしだった。そう、憧れのナナハン、それもカタナを手に入れたのだから。
その後行きつけのショップでオーバーホールを依頼した所、丁度フルカスタムでカタナ1100が入ってきた為、処分するパーツはすべて私のカタナに装着してくれる事になった。いきなり、フロントはニッシンの別体マスターシリンダー、ブレーキホースはグッドリッジ、リアサスはヨシムラカヤバ、マフラーと前後ホイール&タイヤ共に1100のものがそのまま装着された。
タンクには錆が出ていた為、知り合いの板金工にオールペンを依頼。シートも汚れていた為、ブラックレザーに張り替え。フロントウィンカーや外装パーツも装着し、私の理想のカタナが出来上がった。
900はおいたままで、殆どこのカタナで週末はでかけていった。箱根、正丸峠、湘南、そして北海道へ。殆どアメリカンと言える程、フロントホイール径が大きく、ブレーキの効きの悪さで定評のある乗りにくいバイクは、正丸峠の下りでも素晴らしく軽快なコーナリングで私をエキサイトさせた。これほどライディングが楽しいバイクはこれまでなかったかもしれないと、本気で思っていた。
ただひとつ、遅い事。直線ではメーター読みでも180km/h以上は出ない。友人のCB750FBの方が少し伸びがよかったが、パフォーマンスは同じようなものだった。このZX-4よりも遅いかもしれないナナハンは、私にとって「ナナハン」という憧れを手にした事と、「カタナ」を手にした事で、初めてバイクに乗った頃の気持ちを思い出すだけでなく、それ以上に大型バイクの楽しさを教えてくれた。
このあと、5台を乗り継いで現在に至るのだが、今ロードスポーツをもし買うなら、今度はカタナ1100ファイナルの中古か、神戸ユニコーンのイナズマベースのカタナが最有力候補だ。基本設計は既に20年以上も前のオールドバイクだが、私にとっては魅力溢れる車種だったりする。
荷物も沢山積めるし、林道だってガンガン走れる。そしてコーナリングや眺めるだけで楽しめるビックバイク。私にとってある意味理想のバイクがこのカタナである。
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6 Responses to “ひとつの頂点(7台目)”

  1. おっと より:

    昨日、千葉からの帰りの車の中でハレー軍団がバデンぷすバデンぷすいいながら渋滞にひっかかてるのを見て、娘の手が離れたら60だねぇって(^^; その時あーゆー群れなすハレー親父にはなりたくないなぁと話してて、じゃ将来なにに乗りたい? っう話になった。
    お互い、その時にはオフロードじゃないよねぇ、やっぱりオンロード車だなぁって、ともは教習所で乗ったCB750が偉く気に入っていて、CB750と、即答していた。
    おいらは、その時の最高馬力のオンロードかと、思ったんだけどやっぱり、刀かなぁ 神戸ユニコーンの1400見ちゃったらなんか心が揺さぶられてしまいました(;^_^;) 1100でも750でもなぜか刀に憧れてます。
    夫婦でヒデヨシとグンか?
    あぁ、体型が似合わないと、よんきちに言われそう(;^_^;) CF750Fbで笑われたからなぁ(-“-)凸

  2. よんきち より:

    ともよちゃんが言っているのはセブン・フィフティ、シェフの乗っているタイプのCB750だよね。
    ゼファー750もそうだけど、女性にとって扱い易いナナハンなのかもしれないですが、背があるからちっちゃく見えそうだね。
    おっとさんが乗っていたCB750FBは、トラブル多かったよね。S田氏の乗っていたFBは、湯沢とか箱根とか山梨の温泉とかよく一緒に走ったなぁ。また速いんだ、あのオールドバイクが。乗り手の違いだとつくづく感じました。カタナと交換して載せてもらったけど、なんか空回りしているみたいなエンジンだった記憶があります。それこそこの構成は例のマンガの構成だよね。
    年とってからカタナっていうのは難しいかもしれないですね。60越えてXR650Rとかっていうのいいんですけど、腰に来るかな。これだけ周囲でみんなこぞって外車に流れている時代ですが、乗ってない身としてBMとかハーレーも悪くないと思っています。BMならGS系かRS系(ぜんぜん違う)、ハーレーならスポスタ系しか考えていませんけど。ビューエルとかドゥカ、アグスタは私にはあまり魅力を感じません。
    由にはもう恐ろしくて載せられないので、タンデムでも乗れる車種かなぁ。でも私はやっぱりカタナにもう1度乗りたい。ユニコーンの1400はちょっといきすぎのような気がします。ファイナルを手に入れていじって楽しむか、ベースのイナズマを手に入れてユニコーンでカタナに仕上げてもらうかのどちらかですね。後者の方が乗りやすいと思いますけど。(^_^;
    実際の所、あの黒カタナへの思い入れは結構ありました。同時に900に乗っていなければ、きっともっと長く乗っていたか、1100にステップアップしたと思います。

  3. 女神さま より:

    限定解除、懐かしい響きですねー。
    ワタシも「一発試験」でした。
    神奈川県で取ったんですが、もう15年は前になる……。
    事前審査1回+検定7回目の合格でして、
    150人位いて5~6人しか合格しなかったような。
    コースが3種類、当日コース表が配られて、10分位で
    歩いて覚えてたんですが、もう二度と出来ないような気がします(笑)
    ちなみに限定解除取って買ったバイクはゼファー750ccでした。
    その後、250ccに戻ったりしてハーレー2台所有。
    でも今は100ccのスクーターonly。
    限定解除の免許勿体な~い(笑)

  4. おっと より:

    はーい、おいらも100ccのスクーターしか今動くのは無いです(^^; CRM250ARもXLR250BAJA(妻の)もどちらも、自賠責切れてます(T_T)
    限定解除94年だから11年前かぁ、100人近く受けて、3人だったかな、帰りは飛ぶような勢いで、府中から中央道使って速攻でかえりました>仕事だったし(^^; 中免とって23年かぁ 女神様って意外とバイク歴が長いんですね。

  5. よんきち より:

    女神さま
    女神さまも限定解除時代だったんですね。女性のパワーというか、女性で本気に乗る気がある人は、そんじょそこらの男性バイク乗りよりはるかに気合がちがいます。
    ウチの会社の後輩女性も、私が取得した1年後くらいに2人受けましたが、1人は1発、1人は3回で合格でした。圧巻。
    その二人はスキーも1級だし、1人はジムカーナ界では有名なランキング保持者だったりします。普段はフツーのおしとやかな女性なんですけどね。
    私も相当気合入れました。でも楽しかったです。試験受けるのが楽しかったかも。一番乗れていた頃かもしれませんね。
    おっとさん
    アフリカツイン、私にくれればよかったのに…(^_^;

  6. おっと より:

    だって、嘘つき兄貴が限定解除するって(^^;
    結局、弟の所で一時預かりになっている模様
    兄貴の所に行く日は、来るのだろうか?
    まぁ、よんちゃん、乗らないでしょ>バイク(^^;
    一ヶ月遅くこの話があったら、ダイちゃんの所に嫁に行っていた可能性もあった(^^;

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