丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

海の日

yonkichi, · カテゴリー: あれこれ

3連休最終日。海の日といわれるらしい。
私たちは海の日に結婚式を挙げた。1997年の海の日は7月20日。あの日は本当に多くの友人が、中標津の丘にやってきてくれた。ある者は友人の結婚式が北海道であるので、と年休を取ってきてくれたり、富良野周辺の登山基地でテント生活をしていた時にバイクが壊れ、ヒッチハイクでやってきてくれた者がいたり、道東に根を下ろすようになった旅人が、バイト先の牧場から除草機を借りてきてくれて、普段は町がシーズン前に芝刈りをする所、私たちのサイトだけ綺麗に刈ってくれたりした。
海の日はその後、カレンダーの週末にあわせて移動するようになったが、私たちの海の日はやはり7月20日なのだ。なので単なる祭日という感覚が強い。
9年前の海の日は、それまで10年以上毎年北海道に渡り、その丘でテントを張って生活した時間の中で、考えられない暑さに加え、私たちが滞在した5日間全てが晴天という、この時期には稀にみる気候だった。逆にあまりに暑すぎて、普段はジャケットを着て丁度よいという所、Tシャツだけでも暑く、皆真っ黒になっていた。また妙な虫が繁殖し、頭のてっぺんを沢山刺されてしまった。
当時はまだモバイルPCなどはあまり性能がよくなかったのだが、Windows3.1がプレインストールされていたF社のFMV-BIBLO450NL/SにWin95を入れ、800MHz帯のmovaをモバイルカードで繋げ、当時からスタッフをしていたOutRider PATIOに、「これからこの丘で結婚式をやります。お近くにおられる方は是非お立ち寄りください」などというふざけた書き込みをしたのだった。当然来れる訳がないのに…。
式を挙げる本人たちは、単にいつもの場所で友人に見守られて式のまねごとをすればよいと思っていたのだが、お世話になっていた喫茶店のオーナーの娘さんが、知人の牧師さんを呼んできてくださった。そして、前日から入っていた友人たちが、私たちに内緒で、式次第を作ってまともな手順が組まれていった。怪しい動きを察知した地元から、取材を申し込まれたが断ったのだが、新聞社のカメラマンの人とは、集まってくれた友人の顔が判るような写真だけは撮らないでくれというお願いの元に了承した。
由のご両親が関西から東京経由で空路で入り、私の両親も空路で前日に入った。丘を初めてみた由のご両親は、こんな何もない所で式をするのかと驚かれていた。私の両親は、旅行好きだったので、1988年に一度、ツアーバスで訪れていたが、改めて何もない所だと言っていた。私たちは折り畳み椅子を出し、段ボールのテーブルの上にお茶を入れてもてなした。
その日の出来事は忘れられない。それまで、その丘では旅の友人が2組、式を挙げていた。また由のホームだった和琴半島でも、2組の友人が式をあげ、私たちの翌年にも1組が結ばれた。どれも、手作りの式で、お金なんか殆どかかっていない。それでも、どれだけ素晴らしい式を挙げられるかだと思った。
集まってくれた友人や、その時に立ち寄った自衛隊の人々、観光客などにも祝われ、自分たちが何をしているのかすら分からないような大勢の人に囲まれて過ごした時間は楽しかった。由のご両親も、私の両親も喜んでくれた。私の兄のように、式に目一杯お金をかけても別れてしまう事もある訳だが、この式は多くの人に喜ばれた。
参加してくれた人に、由が1枚1枚手縫いで作り、イラストを書いたバンダナを配った。また喫茶店のオーナーも、いつも訪れる旅人に渡す手作りの鈴を人数分用意してくれて、それも渡した。多くの人に祝われた海の日だった。
丘にはいつもの小さいテントばかりが並んでいた。式の為に用意したものといえば、コールマンのヘキサタープ3枚だけだった。テントは皆、丘の厳しい気候に耐えられる山岳用のものばかり。しかし、特別な日だという事を感じさせるものは、この日にしてはちょっと人が多いなと思える位だった事だろう。夜の焚き火を囲んで歌ったフォークソングも、離れた場所でやったので、この日に丘に泊まった無関係の旅人たちには、違和感もなかったはずだ。
そこに私たちは重点を置いた。そう、できるだけ普段のキャンプ生活の延長のようにしたかったのだ。
違った事は、釧路新聞の一面に、私たちが鐘の前で困っている写真が大きく掲載された事だけ。それが9年前の海の日の出来事だった。
写真はちょっと加工した7月22日付の朝刊の一面。よほど他にニュースがなかったのだろう。愛を誓ったというか、私たちは丘や湖で旅の中で出会った友人に感謝したのだ。
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2 Responses to “海の日”

  1. 今年は完全に失念していました。
    おくればせながら、おめでとう。今年もよろしく!?
    当日は、その日が7/20であることもよく分からない日々を
    異国の地で過ごしていました。
    (実働一週間程度なのに残業60hになってました。)

  2. よんきち より:

    じんじんさん
    いいんですよ。私もヒトの記念日や誕生日、いつも忘れてますから。実の母親や由のご両親の誕生日さえ、何もしていないので、今年もメロン位は送らないと…と思ってます。(^_^;
    海外出張お疲れさまでした。疲れ溜まったんじゃない?少し年休(代休)取って休んでください。(^_^;