走るという事
yonkichi, · カテゴリー: バイクフェリーの旅が好きだという話をした。フェリーがまったく別な世界に連れていってくれる事や、自分とバイクを一緒に運んでくれる事がその大きな理由だった。反対に、高速道路を移動する事をあまり好まないとも言った。とはいえ、嫌いでもないと。
じゃあ走るのは嫌いなのか?そんな事はない。やはり走る事で何か自分の中から感じるものがある。両極端な性格なのか、走る時は徹底して走る。そして翌日はまったく動かない。そんなスタイルをずっと続けている。
東京から新潟港から出るフェリーに乗る時は、ノンストップで練馬から新潟西まで走る。関越トンネルを越え、北陸道までののどかな風景の中、疲れて休みたくなるよりも、走り続ける事が楽しくなってくる頃だ。オフロードバイクで、3桁の速度をホールドしながら、ひたすら走る。最初はまだ先は長いと思っている気持ちが、段々とスロットルをあけ足元を走り去る路面が永遠に続くような間隔の中に、妙な気持ちの高揚感が沸き上がってくるのを感じるようになる。それからは、いくらでも走り続けられるような気持ちになる。
北陸道に入り、道幅が狭くなり、営業車が増えてくる頃疲れが目に見えて襲ってくる。風景も正直あまり面白くないせいも起因しているのだろう。しかしあと少しで目的地だという事から、スロットルは緩まない。たまに集中力が欠けている瞬間が現れてくるが、すぐに持ち直し、走る。そして、2時間40分で新潟西の料金所を通過する。
市内のバイパスを走り、新潟駅横のビジネスホテルに到着した頃、走りきった満足間と、ほどよい疲労感と、あとはゆっくりとできる事の幸せを感じながら、食事に新潟の町へ出かけていった。走りに集中することは、緊張と疲労の中300km強を走る中に、何かを感じさせてくれるのだ。
フェリーでまる1日ゆっくり休んだあと、小樽に朝上陸し、5時に走り出す。途中知人の家に1時間寄りながらも、網走のいつもの寿司屋でお昼を取る。その後知床峠を越えて16時に知床観光ホテルに到着。巨大な風呂にゆっくり漬かり、それまで500km以上走り続けてきてさすがにこわばった体をほぐす。休憩はその間取っていないが、これも走る事が自然な事のように、無精に走り続けるのだった。この日は羅臼に泊まった。
翌日は開陽台へ移動し、それから数日はせいぜい町への往復だけで殆ど走らなかった。ここで、またひとつのメリハリのある旅というか、別な時間の過ごし方から、リラックスする時間を楽しんだ。このような事を繰り返すのが私の旅のスタイルのようだ。
走る緊張感、高揚感の先にあるやすらぎの時間は、それはそれは素敵な時間だ。これはバイクでなければ味わえない。そして多くのバイク乗りは、同じ行程を同じ緊張感と疲労感を経て、出会う。走る事は基本であり、目的であり、その先にある何かが決定的に違うものを感じさせてくれるのだ。だからこそ、バイクで走る事は誰にとってもひとつの目的であり、その先に同じものを見る事ができる。
走らなければ始まらない。だからこそ私も集中力を高めて、走る。
写真は3時間弱3桁から速度を落とさないで走りきった先の、新潟西ゲート先。まあこのバイクは荷物満載だと最高速度は120km/hしか出ないのだが…
初めてバイクで北海道を走ったン十年前。
大体のルートは覚えている、どこに止まったとかディテールは記憶の隅に葬られているが、一日で浜頓別から開陽台まで走ったのは忘れられない。結構キツかった。
なぜなら、当時の愛車は、ゴリラだったから(笑)
関東から一般道をテコテコひた走って、気がついたら開陽台ではまってた。
お盆くらいに中標津空港近くでコケてそのまま救急車で中標津病院に入院したのも、今では笑い話。
入院で資金が底を突き、斜里のジャガイモ農家でバイトをしていたら峠に雪が降り、ゴリラは農家に預けて列車で帰ったんだった。
翌々年、ゴリラを取りにまた北海道にDRで。バイク取りに行くのにバイクで行く大馬鹿ものである(笑)
結局、ゴリラはペリカン便で送ったのだった(爆)
またバイク乗りたいな。ババアになったら免許取ってハーレーに乗るんだ(笑)
浜頓別から開陽台までゴリラではなかなか自己耐久ですね。小排気量での旅って楽しいんですが、こと北海道についてはトラッカーや車の流れが怖いです。某友人たちが何人も冬の北海道をスパイク装備のバイクで走っていましたが、あの路肩の轍や吹き溜まりや、スレスレを抜いていく車の事を考えただけで、ゾっとします。
一人しか走っていないなら、これ程素敵な世界はないんですが…
84年の中標津空港って、私は85年に初めて道を間違えて入り込んでしまったんですが、なんだかだだっぴろい空間に倉庫がちょっとだけ建っている、みたいな感じじゃありませんでした?写真がないんですごく悔しい。
私は、ドン突きにあった空港を左に曲がれば開陽台方面だったんですが直進してしまって、あ、間違えたと思った途端、首筋に蜂みたいなのが入って刺されました。すんげー痛くて、ヘルメット脱いで、ジャケット脱いで蜂がいないか探したあと、ふとおちついて周囲をみると、そこはなんだかすごく低い建物があって、どうやら空港管制塔らしいというのが分かったんです。ここが中標津空港か…って気づきました。
やっぱりみんなそれぞれ面白い旅のエピソードもってますよね。これってすごく聞いていて楽しいと思います。ほんと、下らないんだけどノンフィクションだし、私はそういう経験を沢山もっている人の話を聞くのがとても好きです。みんな、ブログ書けばいいのに。私のネタなんかよりももっと面白い話沢山聞けそうで…
東京は今日12度だったそうです。そちらも寒そうですが、こじらせないでくださいね。(^-^)