ジェラート屋として
yonkichi, · カテゴリー: あれこれすっかり旅の話やバイクの話から離れてしまったこのブログだが、この春、私のこの地球上で一番のお気に入りの場所である、北海道は開陽台の展望台で、新しいお店がオープンしたそうだ。
昨年までの21年間は、私が丘に入り浸るようになった2年目からの付き合いとなった、ハイジーの家と共にあった開陽台。今年からその姿はなく、昨年までしっかりした食事から喫茶や雑貨までをカバーするお店は消えてしまった。しかし、そのスペースには、新鋭のジェラートショップ、りすの家がこれからは展望台の顔となったようだ。
正直、私はバスターミナルにあったりすの家や、ハイジーの中で食べる事ができたジェラートを食べた事がないのだが、それなりに美味しいという情報も耳に入ってきている。中標津のあたりだとラ・レトリというジェラート屋がそれまでは有名で、私はそこのヨーグルトも好きでよく立ち寄ったのだが、ジェラートはどちらかといえば川湯のくりーむ童話の方が好きだったりするのも正直な所だ。
丘は私の10代後半から40代に入った頃までは、まさに精神的な意味での中心だった。丘にあがる事を楽しみに、日々仕事を頑張っていたと言ってもいい。そこで繋がった人々との時間を何よりも大事にし、また丘の上で過ごす、一瞬とも言える時間の為に、お金をため、バイクを整備し、キャンプ用品を揃えて出かけていくのだった。
冬であれば昨年の3月以降、雪のない季節ではもう4年以上丘にはあがっていない。そんなに簡単に20年以上続けてきたライフワークは、そう簡単に忘れる事はできない訳で、気候が暖かくなってくると、自然とその頃の事を思い出す。
新しいジェラート屋が顔になっても、風が強かったり、霧雨に包まれていたり、燃えるような夕陽に包まれたり、キンとした空気の中の丘はきっと変わらない。
今年も多くの旅人が丘にあがるだろう。その中にはハイジがなくなった事に気づき、驚くのもいるだろう。ハイジの存在を知らない新しい世代の旅人も来るだろう。しかし、言葉にしなくても、時代の切り替わりをまたがる旅人もいるはずだ。
私が次にバイクでキャンプ用品を積んで丘にあがるのは、いつになるかわからない。でもきっと、またその時は来ると思う。
春の丘は、そろそろ訪れる人も増えてくる頃だ。きっとそっと覗きにくる昔からの常連や、あがるのを躊躇していた地元の人もいるんだろうと思うのだった。
写真は今はジェラート屋になっている、旧ハイジーの家のテーブルスペース。座っているのは友人たちだ。


