丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

病室と春

yonkichi, · カテゴリー: あれこれ

今日は午後半休を取って、母親の検査入院の立ち会いに中野の病院にきている。今検査の真っ最中なので、待合室でこれを打っている。
しかし、昨日から何だか仕事が慌ただしい。ちょっとキレがちにこなそうとするが、どうも頭痛がすっきり抜けない。職場の空気が最悪なのだ。健康増進法なんて何の事?っていう会社だ。
今日もまた下らない発想をした「えらい人」がはじめたワーキンググループの立ち上げがあり、リーダ養成だの何だのとていのいい理由をつけて、下らない資料を作る為のメンバー選任会議があった。情けない事に、トヨタ方式の導入とか言っている。本当に週刊誌で読んだような話をすぐに全社導入する会社だ。そのおかげでどれだけ若手のモチベーションを食いつぶしてきた事か…
地下鉄を使って至近駅から徒歩15分くらいの距離だったのだが、昨日とうってかわって暑い。早足で歩いているせいもあって、汗をえらくかいた。途中大きな公園があり、ご老人がお茶などを飲みながら日向ぼっこをしていた。穏やかな午後だ。
途中、コーギーの散歩をしているおばさんをみかけた。ちょっと太めのコーギー。これから暑くなっていくと、きっと辛いんだろうなぁと思いながら、見送った。くーのように9kg前後でさえ、夏は苦手だ。すぐに舌が思いっきりのびて、口のよこに垂れ下がる。バテてますと顔全体で表現しているようになってしまう。
病院につくと、平日の日中なのに大繁盛。病室も満室だった。設備の整った病院というのはそれなりに人気があるのか、また郊外の病院のように設備や人材が不足している病院も多い事からすれば、大都市の病院はレベルが高いのかもしれない。しかし、どうなんだろう。
私は6歳から中学生くらいまでは毎週病院に通っていた。今でも2カ月に1度、通っているのだが、これまでに両腕にされた注射は数百本、撮ったレントゲンも100回弱といった所だろうか。健康な人に比べて、危険な環境にさらされていると言ってもいい。そういう立場からすれば、設備の整った病院のどこが優れているのか、実感できない。単に待たされる時間の長さでは、今までの人生で結構な割合を占めているのではないだろうかと思ったりする。
私は病院が嫌いだ。年をとると病院が好きになるのか、安心を求めに通うのかわからないが、病院は年配の方であふれ返っている。正直、医療ビジネスに不景気はないのではと思う程。しかし、実際に現場の看護師さんはものすごいシフトの中、ハードな業務をしているものだ。子供の頃から病院に行っていて、看護婦さんという職業はとても大変なんだなあと思っていた位、それは伝わってくるものだった。
病室の中にいると、外の寒さや暖かさは分かりにくい。窓から桜でもあればまだ視覚的に分かりやすいのだが、時間が停まってしまったかのようだ。カーテンで仕切られ、ささやかなプライベート空間となる病室は音は素通しに近い。やはりちょっと特殊な環境だ。看護師さんの目が届く範囲で、何かあればすぐにナースコールができる環境は安心なのだが…
今日みたいな天気の日は、おいしいフルーツを食べて元気をつけたくなる。お見舞いといえば花か果物の盛り合わせというのは、やっぱり病人に元気を与えるものという事なのだろう。しかし私の頭の中ではフルーツといえば、フルーツ大国台湾。私は士林で食べたマンゴーかき氷がとても好きだ。氷館のそれも有名で雑誌に紹介されたりしているのだが、こちらの方が好みだ。
高くてめったに食べられないアップルマンゴーが手に入れば、かき氷とコンデンスミルクをかけて、ジャクジャク食べる。また台湾に行きたくなる。
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冬にまた逆戻り

yonkichi, · カテゴリー: あれこれ

朝から冷たい雨が降っていた。昨日のぽかぽか陽気に比べると、なんと10度以上の差らしい。冬に逆戻りだ。ツイードジャケットにマフラーを巻いて会社へ。でも雨はお昼にはやむそうなので、いつものモンベルのトレッキングアンブレラをさす。
この傘はリップストップナイロンの40デニールだかの薄手の生地を使っている。山岳テントのフライシートに使われる生地だ。結構壊れないで長年使っている。既にロゴも消えてしまっているが…
お台場も風が強く、すっかりパンツの裾が濡れてしまった。こんな気候、北海道であればブリザードだろう。ブリザードは視界も悪く、呼吸もできない位辛い。車での移動でさえ、危険が溢れている。
最初ブリザードというものにあったのは、五竜遠見のゴンドラを下りた山頂近く。スキー中だった。真上には太陽が見えているにもかかわらず、ものすごい風と吹雪で、ゴンドラやリフトが何度もとまった。そんな中、ホワイトアウトに近い状態になり、ルートを見失わずに麓に降りるのも一苦労だった。途中何度も柱や木の裏にまわり、風がやむのをまったがまったく衰えず、休憩しながら下った。普段滑り慣れている所でも、天候次第で命に危険が及ぶものだ。
中標津のいつも世話になるバイク屋さんの御大から、中標津と計根別の間で一晩を過ごした経験を聴いたことがある。スノーシェルターもなく、いつもの国道なのだが、見事に前にも後ろにも進めなくなり、数台が立ち往生したという。天候があまりに荒れてしまうと、エキパイに風が吹き込む事で、エンジンをかけていられない状況になり、装備によっては凍死さえ珍しい事ではない。冬の北海道の厳しさをつくづく感じさせられた。
車で冬に走っていると、写真のような状況になる事もある。長距離トラッカーはこんな視界や路面コンディションでもそれなりのテンポで走り抜けるが、そういう車ばかりではない。慎重に、また対向車と後続車の様子をみながら、リアフォグとフロントフォグをつけ、走る。まだこの当時はカーナビもなく、自分の経験だけでたどり着く事ができた。
同じ日本でも、これほど厳しい気象状況に出会う地もある。八重山などでは台風が直撃すればそれは壮絶な状況になる。リーフがあるおかげで、高波は自然の防波堤が機能して直接被害を与える事は少ないが、自然のパワーというのにいつも驚かされる。
日本はそういう意味でもいろいろな表情を見せてくれる、小さいけど豊かな季節感をもった国だ。もっと郷土愛をもって接したいのだが、社会はそんなに住みやすくて生活水準や経済指数が高いものではない。この素晴らしい自然や気候をもっともっとみんな感じて、もっと日本を好きになれば、何か変わるかもしれない。
穏やかな日と厳しい日の両方を経験した時、そんな気がした。
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桜咲く頃

yonkichi, · カテゴリー: あれこれ

桜が記録的な開花の遅れらしい。今日は4月2日。近所は某大学生で溢れ、サークルの看板を先頭に行く者がかざし、その後ろを昔の日本人観光客よろしく、長蛇の列をつくって公園やキャンパスに移動していく。
私の学生時代は、そんな事はしなかった。確かにサークルに入り、新歓コンパのような事もしたのだが、妙に冷めていたと思う。校歌を歌わされたり、上下の関係を強要されたり、そういうのも必要なのかもしれないが、私は高校時代に上下の関係が厳しいクラブに居た関係で、大学生になってからもそういう事はウンザリだった。
彼らは何を期待して大学に入ったのだろうか。私なんかよりもはるかに賢く、また勉強もできるのだろう。大学に入った事で、それらから開放され、何をしたいのか、何を目指したらいいのかわからない中、流されていくのも仕方ないのかもしれない。
高校時代は、夏休みも朝練というのがあって、早朝から学校に集まった。夜も遅くまで練習があり、クラブ一色だったと思う。夏休みは練習が終わるといつもの公園に集まって、くだらない話をした。
学校では3ナイ運動というのが流行っている時代だったが、私立だった事もあり、免許は自由に取れた。さすがにバイク通学なんか許される訳がないが、まあそういう事に反抗してしたい事をしたい、と思うのも自然な流れだったのかもしれない。練習のない休みの日や、どうしても気が向かない日は、サボって湘南までバイクを走らせたりもした。
大学に入り、2年まではそれなりに取らねばならない単位の為に比較的真面目に通っていた。しかし1年目の夏は初めての北海道、2年目の夏には日本縦断に出るなど、これまでできなかった旅を合法的にできるようになった事が嬉しかった。
大学生の春、桜咲くキャンパスは、厳しい受験を乗り越えた喜びと期待と新しい出会いという、何も心配のない時期だったかもしれない。浮かれるのは仕方がない事だ。大学の4年間にだって、それなりに悩みはあった。でも人生の中でどれだけ深いものだったかというと、とても些細なものだと思える。
会社に入った4月も、仕事についていけるかというような心配や、自分より回りの人間ができるように見えて、不安の比率は増えていた。でもやっぱり新しい生活が始まる事の方が、期待の方が上回っていたような気がする。
その時期には必ず、桜が咲いた。
四季を感じられる国。ニッポン。政治やこの国を高度成長期にひっぱりあげてきた人々が住みやすいのか住みにくいのか、わからない国に造り上げてきた。国政への不満の高まりや、愛国心の薄れなど、レベルが全世界的にも低いと言われる日本だが、旅をして素のままの風景や文化を見る事で、しっかりした日本への愛着を感じる事ができる。
そのひとつが四季なのではないだろうか。
薄曇りの下、今日の桜。まだ僅かだが、しっかりと春がやってきているようだ。
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