新車の赤いホンダ(2台目)
yonkichi, · カテゴリー: バイク1週間ぶりに仕事場に復帰した。不在にしていた間に溜まったメールは、2000通を越えていた。その過半数はアラートと呼ばれる通知メールなのだが…それをざっとさばくのに軽く午前中を費やしてしまった。
仕事では時間に追われてあまり書く事もないので、また回想を…
私にとって2台目の愛車。ホンダXL250Rc。丁度この時、ヤマハのXT250の人気が高かった。私はバイクに乗り始めたきっかけとも言える、アドベンチャーライダーといわれる風間深志氏の文章や記事を読み、オフロードバイクが好きになった。
高校2年の頃、私はブラスバンドに入って、音楽をやっていた。中学時代にロックに目覚め、THE WHOのTOMMYと、LedZeppelin 狂熱のライブの2本立ての映画をみてからというものの、それまでの写真部の部長をしながら、ギターを買って見よう見まねで引きはじめていた頃だった。
その後、本格的に演奏が好きになり、ロックに走る周囲を余所に、私だけ日本のクロスオーバー、フュージョンと呼ばれるジャンルに没頭していった。そんな中で、好きなバンドはプリズムやカシオペア、渡辺香津美、坂本龍一など、そういったアーティストのコピーを下手の横好きでやっていた。同時にブラスセクションがバックで音の厚みを与えている事が気になり、単に軽音楽部に入るのではなく、吹奏楽部に入った。
同期の部員はなかなか面白いのが集まっており、なぜか殆どがバイクが好きだった。しかし、みんなオンロード。CB50S、MM50、RZ50など、今でこそ言えるが夏休みの通学はバイクだったし、練習後にファミリーレストランに行くにもバイクだった。不思議な高校時代だったとも言える。
私だけオフロードバイクに走ったのも、なぜだかよく分からないが、カッコよく言えばポリシーだった。そして部活動とバイトを両立させつつ、親ローンでとうとう憧れの新車の出たばかりのXL250Rcを手に入れたのだった。
市販車初のプロリンクサス、CB250RS系の軽快かつパワフルなエンジン、4バルブヘッドがメカ的に魅力であり、またホンダらしい赤いボディをみてからは、もうこれしかないと思った。しかしエンジンのかけ方や重さに苦労したのを思い出す。
これで冬の日本海を見ようと、2月の八ヶ岳越えの為にタイヤチェーンを上野で買って挑戦し、数えきれない程の転倒した結果、クラッチレバーを折って傷心の中帰路についた事。砂浜をパリダカよろしく走ろうとスタックして泣きをみた事。原付で苦労した林道を苦もなく通過できたり、荷物を満載し、初めてキャンプツーリングという事をした事など、本当に私の原点とも言えるバイクとも言える。
多感な高校時代は、この赤いバイクと共にあった。17歳の頃だ。写真は湘南の海岸。