丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

思い立って雪国へ(その4)

yonkichi, · カテゴリー:

足が悪いのに奥さんがコーヒーを入れて下さり、恐縮しつつ部屋の中へ。マリヤちゃんとカレンちゃんは遊んで攻撃だ。
椅子に座ると私の足の間から顔を差し込んできて、見つめる。大型犬とこういうコミュニケーションを取るのは初めて。そのうち興奮してきて私の膝の上に登ろうとしてきたり、舐めまくられたり。地面に座ってみると、舐めながらのしかかられてしまった。くーが由の廻りでそれをみてワンワンと文句を言う。私もメガネを退避させて身を任せるが、息ができないほどになってきて避難。
大型犬はこういう事なんだとあらためて実感するのだった。
くーは少し落ち着いてきたようだが、まだ時折唸るので、ストレスがかかりすぎるのも何だという事から、くーをかかえて車に。クレートで休んで貰う事にした。当然不満な声を出していたが、そちらの方が気が楽だろうと思うのだった。
その後しばらく家の中でまたさっきと同じように犬談義。そして部屋の中も案内して頂き、別荘的な間取りではあるが、荷物の少ないすっきりした部屋で素敵であった。リビング脇にある1室に、PC機器がぎっしり詰まっていて、主にここで仕事をされているのがわかる。部屋のギャップが面白い。
充分に温かいのだが雰囲気も兼ねて薪ストーブに火を入れて頂いた。これはロマンである。薪ストーブの火をみながら、くーとうとうとしたいものだ。時間をゆっくりと贅沢に使いたい。日々寝る時間を削って会社に朝早く行っている自分は、いつかこういう所で生活するぞという気持ちがあるから、今我慢できると思っている。
16時をすぎ、一旦私達は宿にチェックインをしたり、風呂に入ったりする為に引き上げる事にした。奥さんも少し休憩する時間があるとよいと思うのもあり、そしてその後19時におすすめのお店で再度夕食をご一緒する手筈になっていた。
一旦お別れし、由とこういう生活の事についてしみじみ語りながら、こちらも5年ぶりのB&Bの宿、ロッジクルトへ。日が暮れる直前に到着すると、オーナーご夫妻がフロント棟から出てきてご挨拶頂いた。まずはチェックインとくーを連れてご挨拶。くーはさっきまで不満一杯だったのを跳ね返す勢いで愛嬌を振りまき、可愛がられていた。すると近所のさくらんぼ農家の方が、セラちゃんという若いボーダーコリーを連れてきて、またくーは警戒モードに。しかし最初唸っただけで、しばらくすると近くまで自分で近くまで行くほどだった。へそ天になって、クルトのオーナーご夫妻に撫でられ、その間飼い主は犬やアジリティやディスク競技の話で終わらない。今日は人と会えばずっと犬の話をしているような気がする。
案内された部屋に入ろうとすると、オーナーさんが湯たんぽを2つ、渡して下さった。今日は温かいのでこの時はあまり必要性を感じていなかったのだが、言われた通りに布団に入れてみる。そして着替えの用意やら何やらをして、まずは一番近い温泉であるたかねの湯へ。
駐車場は地元の車で一杯。外来は700円とちょっと高めだがこのあたりの相場らしい。そういえばクーポンを持ってくれば100円引きだった。失敗した。風呂は大きく、大きな窓がある。そこからは景色がよいらしいのだが、残念ながら今はわからない。色々なお風呂に入り、露天がないのが残念だったがしっかりと暖まった。そして外にあるマッサージチェアで肩をほぐす。これは結構好きな時間だったりする。
駐車場で待ってくれていたくーにオヤツをあげ、予約をして頂いている魚ZENZOWさんへ。真っ暗な中、ヘッドライトに照らされる路肩にある雪をみると、学生時代のスキーを思い出す。若気の至りという事で、日帰りで志賀や苗場、車山にも行った。菅平や斑尾、野沢温泉では夜も車を出して遊びに行ったものだ。
写真はマリアちゃん。外をじっと眺めているのをみていたら、ふとこちらを振り返ってくれた。実は私は大型犬ならゴールデン・レトリバーが一番好きだったりする。
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思い立って雪国へ(その3)

yonkichi, · カテゴリー:

車に戻り、汗だくの上着を脱いで、スノーシューについた雪を落とす。靴をバックル2箇所でとめるタイプの、タブスのスノーシューを買ったのだが、パッキングにちょっとかさばる。これは失敗だった。案外ベルトの方がコンパクトになる。弟子屈在住の友人が、ワカンという和かんじきを使っていて、それが妙にいい感じだった。しかし実際に買うと私たちのスノーシューと同じぐらいするので、驚いた事を思い出す。
くーを拭いてクレートに入れ、飼い主は朝自宅で入れてきたコーヒーと紅茶を飲んで一息。時間が待ち合わせの15分前になったので移動開始である。
北杜市の若松の交差点の近くに、色々なおいしいお店が集まってきているようだ。我が家は地元の友人に教えて頂いた藤乃家へ。脇道を入り、車が擦れ違うのがやっとという細い道の先にそのお店はあった。1台店の前に軽自動車が停まっている。その中の後部座席に、ぬいぐるみのように2頭のゴールデンがオスワリしていた。ちょっと不思議な絵である。
その横に車を停めると、私たちは初対面となるご夫婦の旦那さんが出てきて下さった。思いのほか小柄の旦那さんに導かれて店内に入ると、5年前に品川駅のホームでお会いした奥さんが座られている。奥さんは一昨日、長い間の闘病生活から退院されてきたばかりの体であり、今回も無理になるとと思って気になっていたのだが、会って下さる事となったのだった。
このご夫婦は、日本の飼い犬の文化を少しでも育てていく手助けをしたいとはじめたウェブサイトの主催者の方だ。それまで家庭犬といえば、庭の犬小屋に繋ぎっぱなしで、散歩と食事やりだけが義務として日々淡々と行われてきた文化から、犬を家族の一員とし、犬という生き物を人間社会でも一緒に活動できるようにしつけや教養を身につけさせて行く過渡期から、NPO的な活動をライフワークとしてされてきている。今でもそれは続いていて、私達もくーを迎えるにあたり、多くの情報源として参考にさせて頂いたのだが、まさかその主催者の方と知り合い、こうしてお会いする機会ができるとは思ってもいなかった。
病気の話、犬の話、住まいの話など、おいしい蕎麦を食べながらあっという間に時間はすぎ、ご迷惑かとは思ったのだが、お住まいにお邪魔する事になった。軽自動車の後ろをついていく。
別荘地の中にある住まいには、小さなドッグランがあった。きれいな雪が一杯しきつめられてる中、ゴールデンのマリヤちゃんとカレンちゃんは、パパが投げるボールでひたすら遊びまわる。くーもそこに入れさせて頂いたが、予想通り近づかれると唸ったり吠えたり。しばらく慣れるまではと由が監視しながら遊んでやるのだった。
こんな別荘に住みたいと常々思っていた私は、ひとつの憧れが弟子屈の定宿、鱒やさんだ。今回現実的な別荘を目の当たりにして、やはりこういう生活がしたいなぁと思う。人ごみ嫌い、混雑嫌いな私は、毎日の通勤でイライラする事から開放されたいと思っている。いつか、こういう生活がしたいと思うのだった。
写真はお昼に食べた藤乃家のそば。ツヤとコシはしっかりしていて好み。もっと沢山食べればよかった。
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思い立って雪国へ(その2)

yonkichi, · カテゴリー:

雪が重い。明け方まで雨が降っていたのではないだろうか。まあ悪くてもみぞれという感じの雪面だ。それでもスノーシューが楽しめるほどの積雪量はあるので、ほっとした。
くーは飼い主のスピードにあわせるなんて事はせず、先に行っては姿が見える範囲でまた戻ってくる。鹿の足跡が横切ったりしていると、その臭いをかいでちょっと横道にそれていくが、またすぐに帰ってくる。サークルは広めだが、しっかり耳は飼い主の方を向いているのが面白い。
行ったり来たりひたすらしているので、飼い主の100倍は運動しているのではないだろうか。この小さい体に、6歳にもなったのに、相変わらずの体力である。
くーの上腕部は凄い筋肉だ。後ろ足のももの部分も筋肉の筋が見える。あばら骨もしっかりと目視できるぐらいなのだが、犬一倍食事量はとっている。代謝量がハンパではないようで、まさにアスリートドッグだといつもお世話になっている動物病院の先生に褒められる。
ドッグスポーツをしている中では別に目立つ存在ではないのだが、まず一般のフィールドではほぼ100%、痩せている、スリムだ、ウチの子と全然違うなどという言葉が投げかけられるというのが多い。次に尻尾がある、小さい、足が長い、ミックス?などというポイントを突かれる。注目を浴びるのは嬉しい事だが、中には失礼な事をいう人も居る。いちいち気にしていてはこちらがもたないが、まあそういう人間なのだろう。
くーはこういう場所ではいつも満面の笑顔だ。犬に笑顔?と思う人も多いと思うが、見て貰えればわかる通り、とても表情がはっきりしている。凹む時は尻尾が降りなくても顔だけで判るし、不満そうな顔も判る。こんなに表情豊かな犬がいる事に正直、コーギーという犬種を知って驚いた程だ。くーが特別ではない。
大好きな雪の中ではしゃぐ姿を見るのは、飼い主にとってこれほど嬉しい事はない。スノーシューも飼い主は楽しいが、クロカンやゲレンデよりも、くーと雪の中の散歩を楽しみたいからこそ、やっているようなものだからだ。
ほぼずっと上りのルートで、重い雪もあって飼い主はバテバテ。途中座る場所もないので、一部雪面から丸太の階段が見えてる所で座って休憩。くーは枝や雪玉を投げて貰えるかと期待一杯の顔で見つめてくる。
最後のちょっと急な上りを登り切ると、ベンチや東屋の屋根が見えた。頂上らしい。一面が一切足跡がない雪原なのだが、あっという間にくーの走り回ったあとになってしまった。景色もなかなか素晴らしく、雪を抱いた甲斐駒ヶ岳の姿や、なだらかな先に見える八ヶ岳連峰の稜線が見える。
案内板や石碑の前で記念写真を取り、先に進む。しばらくいくと、駐車場が見えてきた。一面真っ白な広場なのだが、ロケーション的にはあまり気持ちがよくない。本当はこの先に進みたかったのだが、待ち合わせの時間まであと1時間半なので、ここから上り400mはちょっと厳しい。また来ればよいという事として、引き返してくーと雪遊びをする事にした。
それまで足跡ひとつなった場所が、くーが縦横無尽に走ったあとで一杯になってしまった。雪玉をキャッチしようと走りまわる。面白い事に、キャッチする寸前にぴょこんと飛び上がるのだ。それが妙にかわいい。
雪を食べすぎておなかが心配なので、適当な所で切り上げて山を下る事にした。
さきほど喘ぎながら登ってきたルートを今度はゆっくり下る。森に入るとさっきまで陽が差し込んでいたのに霧にあっという間に包まれ、視界が遮られた。しかしすぐにそれは通りすぎる。気持ちのよいひんやりとした空気を一杯に吸って、普段声がでにくい私も喉が軽い。
2つある最初の階段で由が滑って転んだ。そのまま2mほど滑りおちて、おしりのあとを残した。最後の階段が角度も急なので、スノーシューを外してちょっと慎重に下りる。なんとか無事に戻ってこれた。雪がゆるすぎて、踏みつけるとシャブシャブになってしまい、その時に滑るのだ。
写真は天女山の山頂にて。カメラマンが雪の上に寝ころがっているのは内緒だ。
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