丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

アスパラウィーク

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

食べ物ばかり、というかアスパラばかりが続くが、今日もアスパラを使った食事の話を。
パスタは結構好きでよく作る。その中で、ソースによって太い麺か細い麺を選んだりするのだが、基本的には細いパスタが好きで、この1.4mmのものをよく使う。パスタ自体は高価どころか198円/1kgのもので、茹で時間が6分と書かれているCOOP製のものだ。
本当はパスタ鍋とかパスタをお湯からあげる時のトングなどが欲しい所だが、結構いい加減に作る。我が家のキッチンは狭い上に、収納スペースも少ないので、ティファールのインジニオを2セットを交代で使っている。初代のインジニオのテフロンがはげてしまったので、あとから圧力鍋がついているタイプを買い足した。その時に同じサイズのフライパンと小さい鍋があるのだが、私が料理する時はこれらがフル回転する。
パスタを茹でるのは一番大きな深鍋。ソースを作るのは一番小さな鍋を使っている。圧力鍋は案外使いそうで使わない。ラフテーや牛すじを似る時はやはりじっくり煮る方がおいしい。保温調理器なんかもいいかもしれないが、置き場所がない。まあそんな不便な環境の中、料理をしている訳で。
アスパラを使ったパスタというと、どちらかというとクリーム系が思い浮かぶのだが、私はカルボナーラやクリームソース系よりもトマト系が好きだ。ホールトマト缶が89円程度の頃に買いだめしてストックしてあるので、これを使ってトマトソースや、チキンのトマト煮、ダッチオーブンでのトマト煮のようなものをよく作る。なんせコスト安でトマトのおいしい料理ができるというのがよい。
まずオリーブオイルを熱し、ガーリックスライスを入れて焦げないように弱火にする。ガーリックオイルができた頃にトウガラシの輪切りをパラパラと入れて、これも焦げる前にホールトマトを入れる。弱火で水分が飛ぶまで煮る。
それとは別の鍋で、タマネギを薄く切り、少なめのオリーブオイルで弱火であめ色になるまで炒め、それをさきほどのトマトソースベースに入れる。そしてマイタケを細かく手でほぐしたものを入れ、ニンジンを1/4程度すりおろしたものを入れ、じっくり煮込む。水分が飛んだ頃、砂糖と塩と胡椒で味をしっかりした味に仕上げる。
さきほどタマネギを炒めた鍋にまた少しだけオリーブオイルを入れ、適当に切って30秒ほど沸騰したお湯に潜らせたアスパラに焼き色がつくまで炒め、平行してパスタを5分茹でアルデンテに仕上げ、少量のオリーブオイルとバターをフライパンにひき、かるくゆであげたパスタをさっと炒め、ブラックペパーをふりかける。
お皿にパスタを敷き、ソースをかけ、アスパラをトッピングしてできあがり。甘くて味の濃いアスパラが、しっかりと味付けしたトマトソースに負けず、そして細めのパスタによくあう。私が作るトマト味のパスタは基本的に同じ作り方なので、今回は肉を使わなかったが、挽き肉をベースにするのがやっぱりおいしいと思う。
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グリーンアスパラの夜

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

札幌の友人から先日送られてきた北海道の春の味、グリーンアスパラで今日の夕食を作った。丁度今日は朝から頭痛が残っていたので、台所に立っていると段々と苦痛になってきたのだが、とりあえず頑張って作りきった。
昨年もそうだったのだが、折角このようにおいしい材料を頂いたのであれば、おいしく頂くのが義務だ。今年は昨年よりも少しだけ凝ってみる事にした。以下がそのメニュー。全てアスパラ以外は冷蔵庫に余っていたものばかりなので、ちゃんと準備して作ってはいないのであしからず。
1.グリーンアスパラのスープ。コンソメベースでブラックペパーと塩を少し加え、柔らかくなりすぎないように1分弱下ゆでしておいたグリーンアスパラの根に近い方を細く切ったものと、ブロッコリーの茎を茹でたものをやはり細く切って器によそう前に加え、とき卵をふわりと固まらせ、少しだけ残っていたパセリのみじん切りとすりゴマを浮かべてできあがり。
2.グリーンアスパラのわさびマヨネーズあえ。1分弱茹でておいたグリーンアスパラの根に近い方に、マヨネーズと牛乳とわさびをよく溶かしたものであえてできあがり。
3.グリーンアスパラ入りのサラダごまドレッシング。1分弱茹でておいたグリーンアスパラの根に近い方を細く切ったものと、ブロッコリーの房を下に敷いたレタスの上にかけ、アーモンドのスライスを軽く炒りまぶしてごまドレッシングをかけてできあがり。
4.グリーンアスパラの豚の薄切り巻き甘辛風味。1分弱茹でておいたグリーンアスパラのまん中部分を少し長めに切っておき、余っていたブロッコリーの茎部分を煮たものを細長く切り、それに長ねぎを白髪風に同じ長さに切ったもの、計3種を豚肉の薄切りで巻き、爪楊枝でほぐれないようにしておく。それを数本作り、ゴマ油で少し焦げ目がつく位フライパンで炒め、日本酒と醤油少々と豆板醤を少々入れ、弱火で水分がなくなる程度まで炒めて、爪楊枝を外してできあがり。
5.グリーンアスパラの天ぷら。いわずとしれたメニューだが、アスパラの先から少し眺めに切っておいたものを天ぷらにする。大根おろし入りの天つゆか、塩だけで食べる。
ご飯は無洗米に発芽玄米と麦を少し入れて炊いたもの。写真にあるものはこのようなものだ。
さて食べてみると、何だかんだ言って天ぷらが一番おいしかった。シンプルが一番という事か。素材がよいので、アスパラの甘さと歯ごたえが一番、天ぷらが引き出していたかもしれない。まだ少し残っているので、今週もう1度天ぷらを楽しむ事にしようと思う。
…しかし食べたあとでふと気がついた。1品足らない天オーブンの中をみたら、それは取り残されるように佇んでいた…うーん、明日のおかずに加える為、ラップして冷蔵庫に入れておこう。それはどんなものかというと、こんなものだった。
6.グリーンアスパラのチーズ焼き。ジャガイモをスライスし、フライパンで油とブラックペパーで炒める。それをグラタン皿に盛り、その上に1分弱茹でておいたグリーンアスパラの根に近い方を敷き、やはり軽く茹でておいたブロッコリーの房の部分も並べ、ピザ用のチーズをふりかけ、オーブンで5~10分程度、軽く焦げる位に焼く。
送ってくれた札幌の友人は、滝川の近くに実家がある。このアスパラも滝川産だ。今年は天候が悪く、できはあまりよくないという事だが、私にとってはこれほどおいしいアスパラはないと言える程、太くてしっかりしたもので味もそこらのスーパーで売っているものとは大違いなのである。今年から実家で家庭菜園を始めたとの事で、これからも楽しみだ。とはいえ、何をお返しにしようかと悩むのであった。
いつもありがとうございます。今シーズンもおいしく頂きました。ごちそうさまでした。
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桜海老踊る

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

春と秋の風物でもある、駿河湾の桜海老。春は実はあまり行かないのだが、晩秋の頃、毎年富士の周辺で古い友人と年に1度のキャンプミーティングがあり、必ずとって桜海老を食べに行く。なんでそんな話をしているかというと、先週の日曜、日本テレビでやっていて毎週楽しみにしている「鉄腕ダッシュ」という番組で、桜海老が出てきたのだが、録画していたものを今日夕食時に観たからだ。
何だか日本の味とか料理を偉そうに言う時、大抵が懐石とかではなく丼になってしまうのは私が庶民だからだろうか。それは否めないが、その理由としてひとつ思い当たる節がある。何かというと、私はキャンパーだからだ。一鍋料理と勝手に言っているが、食器に料理を盛る事はせず、つくっていた鍋(コッフェル)がメインの皿になり、ご飯を食べる時は小皿兼コップで重ねて収納ができるシェラカップを使うように、見た目を気にしないからだと思っている。
合理的という理由だけでなく、水をできるだけ使用せず、また洗剤すら使わないようにするには、まず洗うものを減らす事から始まる。バイクに家財道具を載せて走る事は、載せるものを厳選しなければならないという理由と、同じ機能のものを買うにしても、小さく、収納性を重視し、それを実際の機能を比較する。そんな中で、皿とかおたまなどはできるだけ減らすという事から、丼というひとつの皿に全てが集約されている日本料理には相通じるものがあるように思う。
静岡は駿河湾沿いに行くと、必ずスマル亭といううどん屋に寄っていた。今でも時間帯で早朝や深夜などは立ち寄るのだが、3年前にいきなり麺が冷凍になってしまった。冷凍がまずいという訳でも、前がそんなにおいしかったという訳でもないのだが、ここにある桜海老としらすの天ぷらがやはり目的に近かったのかもしれない。しかしある年から旅の友人が、もっとおいしい店があるのを調べてきて、早速皆で行ってみた。
そのお店はやはり静岡をベースにチェーン展開している、鐘庵という。桜海老のかきあげが秀逸で、垂直に海老が立っているのだ。麺もスマル亭よりあきらかにおいしいが、値段はやはり比較すると高めだった。またこの鐘庵には、駿河丼というマグロのしぐれ、錦糸玉子、しらす、桜えびの釜揚げ、わさびの塩漬けが載ったサイドメニューがまたおいしい。
実は東京にも支店がある。スマル亭は茅場町に、鐘庵はおっとさんの家の近く、大塚にある。その大塚店には何度か行ったことがあるのだが、そこでは売りだったはずの桜海老のかきあげよりも、牛丼やセットものが売れるというらしい。確かに桜海老のかきあげそばやうどんを食べようとすると、1コインでは済まなくなる。店の左右にバーミヤンと富士そばに囲まれていては、味よりも値段で勝負しなければならないのかもしれない。しかしやはり味で勝負してほしかったというのは、ファンの一人だから思う勝手な気持である。
まあうどんで言えば、麺通団がおいしいのだが、たまに桜海老のかきあげそばに駿河丼が食べたくもなる。秋のキャンプミーティングではまず確実に食べるのだが、桜海老という季節の味には魅力がある。そしてわさび醤油をかけた丼は、まさに日本の味でもある。
丼という小さい器の中に、沢山の世界が展開する。私はこの丼を使った料理が好きだ。
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