丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

由のアジ練、本格的に再開(その2)

yonkichi, · カテゴリー: バイク

なぜ今整備かというのは今の所課題が多い為ノーコメント。とにかく私のバイクが無事に息を吹き返したという所だ。
久しぶりにクラッチが繋がれ、走り出したDJEBEL250XC。妙にフロントがグラつく。基本に忠実にニーグリップを締めるが、最初のコーナーや交差点が怖い。怖いと感じたのは久しぶりではないか。
最初にブレーキを確認。フロントもいい感じで効くし、リアも充分。サスも抜けてはいない。ただ、アクセルを戻すと強制開閉のキャブらしく、手首に負担がかる事を身をもって思い出した。エンブレのかかり方もちょっとギクシャクするのだ。
ロングを走っていると、このスロットルの感触と、微妙に自分の走り方にあわないミッションがストレスになる。アクセルを開けている時は比較的よいのだが、パーシャルで走るとどうしてもスムーズではなくなってしまう。感覚的に言えば、まるで2ストのパーシャル走行のような感じとでも言おうか。
私のDJEBELは97年式。96年でデビューし、オーストラリアン・サファリでほぼノーマルで完走したり、あの加曽利隆氏がノーマルでオーストラリアを東西南北に2度に分けて縦横断した事から、その耐久性だけでなくポテンシャルに正直「これしかない」と思って、愛着はあったがリアサスが抜けて修理が必要だったXRを手放し、乗り換えたという経緯がある。
丁度97が発売された時期でもあり、初期型カラーが好きだった私は、1台だけ在庫があるという96を買ったのだが、手違いで別の行き先に渡ってしまい、初期型タンクをつけて同じ値段でという条件で買ったのだ。なので、私のDJEBELはタンクこそ初期型カラーだが、フォークブーツは2型の色なのである。サイドカバーもフロントフェンダーの2型カラーのデカールも剥がし、真っ白。結構このシンプルなデザインが好きだったりする。
だがDJEBELはつい最近まで発売されていたモデル。10年を越えて現役だったのだが、前期型から中期以降はキャブの形式も変わった。初期型は色々問題もあったので、そういう意味ではデキのよいバイクではないのかもしれない。
そんな車体を、久しぶりに振りまわした。試走もちょっと長めに由のアジ練場まで。裏道の交通量の少ないルートを大きい声では言えないが何度も全開にした。デジタルメーターの数字がどんどん変わる。
ダートではさすがに倒し込めないが、回転数をあげていればそれなりにレスポンスよく地面を掻きむしる。タイヤがノーマルなので接地感があまりないのが玉にきず。好みだったピレリのMT21あたりに変えれば、案外いい感じになるかもしれないとあらためて思った。しかしその分タイヤの剛性があがり、舗装路ではゴツゴツ感に見舞われるのだが…
ひとしきり、スタンディングによる低速走行や倒し混んでイン側の足をフロントホイール横に出してみたりすると、これが楽しい。おまけにハザードや大型ヘッドライト、ライトカウルなどツーリングには便利な装備も一杯ついている。ラジカルミラー、6つほどミラーの支柱とブレーキチューブにつけられた洗濯バサミが旅を感じさせ、キャリアに装着した板など自分なりに工夫したポイントが、これまでの自分の旅を思い出させてくれた。
これ以上回らない所までアクセルグリップを回し、減速ポイントを奥気味に設定し、全閉。リアタイヤがホッピングする寸前まで前後のブレーキをかけ、スパンと倒し込む。この感覚が楽しい。
当然自分の感覚がまだ戻っていないので、随分とろい動きなのだと思うが、自分的にはビリビリ来る感覚が沸き上がってきて、振りまわしている感じがオフ車独特の楽しさでもある。最近流行りのモタードは乗ったことがないが、ダートでリアタイヤが地面をひっかき、フロントが浮いてくる時に車体の重心の移動にあわせ、自分の体重ポイントをニーグリップした膝より上の腰の位置と、加重をかける外側のステップに移動し、バランスを取るのが楽しい。
1度だけアスファルトで転んだ時についたフロントフェンダーの傷が残念だが、やっぱりいいじゃないかと感じさせてくれた試走だった。
この車両になって11年目。もうちょっと乗ってみてもいいかなとあらためて思ってしまった。バッテリ端子をはずし、キャブのフロートのガスも抜いて、またガレージへ。この夏ちょっとツーリングに行きたいと思っているので、走るならばその前にオイル交換をしてやらないとと思うのだった。
その後、エスクードの水洗いと、ガラス面への撥水コーティングをする。こっちの方が時間がかかってしまった。DJEBELに2時間、エスクードの洗車兼コーティングに2時間をかけ、16時すぎにフィールドへ戻り、片づけを手伝って由と共に帰路へ。
帰り際夕食を作るのが面倒なので、よく行く和光の「とんでん」で夕食しながら帰った。
今日はハードだった。右の腕が張っているし、手首が痛い。風呂でゆっくり体をほぐして、目をつむると強い日差しの中、3桁を指すデジタルメーターの数字が視界に隅っこに写る、ハンドル先の風景を思い出しながら就寝。
写真はとある目的で改めて撮影したDJEBEL250XC。思った以上に快調で嬉しい。
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由のアジ練、本格的に再開(その1)

yonkichi, · カテゴリー: バイク

GWに私も一緒にアジ練に行ってから、ちょっと間があいてしまったが、今日からまたしばらく毎週のアジ練再開だ。
毎週のようにできる環境というのはよい事だ。それでなくても人や犬の時間を費やす時間が長いドッグスポーツなのだから、毎週続けられる環境があるのはとてもラッキーな事でもある。ましてやアジは大変なスポーツであり、犬との意志疎通が成り立たないとまともに走れないというものなのだから、練習なくては成り立たない。とてつもない時間を費やしている人が大勢いる世界なのだ。
私は前回走らせて貰ったが、今は見よう見まねでできる所までしかできないのは自分で分かっていた。実際はもっと練習をしていかなければ、もっとくーと意志の疎通をはからなければできないスポーツがアジリティ。簡単ではないのは充分に分かっている。
今回は私の用事がある関係で、今日は会社を休んで由に同行。大渋滞の谷原付近で1.5倍の時間がかかりながらも、お昼前にフィールドに到着。昼食も取らずに、練習場へ飲み物やクレートなど練習に必要な荷物を運び入れた。
挨拶もそこそこに、私だけ車でガレージへ移動。由が練習している間、私がやらなければならない事をしに行く為だ。裏道を走り繋いだが、幹線道路に出る所では大渋滞。今日はどこもかしこも混んでいるようだった。
ガレージは兄が仕事中。邪魔にならないようにエスクードを停め、置かせて頂いている屋内からまずは残っているロッキーの夏タイヤをどかし、バイクを引きずりだした。フロントのエアーが抜け切っている上に、扉近くに荷物が積まれているので出すのに苦労しながら青空の外に。みると埃がまんべんなく積もっている状態だった。
このエンジンは3年弱、火が入っていない。DJEBEL250XCはバッテリが弱く、まず1年以上乗らなければ必ずあがってしまう。端子をはずしておけば、何とか1年持つか持たないかという微妙な寿命だ。
キャブのフロート室のガソリンが終わっていると思い、覚悟しながら行ったのだが、3年近く前にちゃんとその事も考えていたようで、ガスはそれ以上抜けなかった。
ヤフオクで購入した中国製のMFバッテリーをセットアップ。最近安いバッテリーが色々出ているのを知ったのだが、その中でも比較的信頼できそうなブランドを選び、送料込で3000円弱のバッテリーを事前に準備していたのだった。これまで乗る度にあわてて近くの用品ショップやバイクショップで、DJEBEL250XCのバッテリを購入してきて、毎回10000円近くの出費を強いられていたので、正直ウンザリしていた。それが私の気に入らない点でもあった。XRはバッテリーレスだったにもかかわらず、キック2~3回で目覚めてくれていた。
しかしDJEBELのオーナーズクラブの情報から、秋葉原の部品屋で安いバッテリが手に入ると知って、まめにチェックしていたのだが結局欠品で手に入らなかった。しかし最近はそれよりちょっと高価だがそれでも正規品の1/3程度の値段で買えるバッテリがすぐに見つかるようになった。
タイヤのエアーを入れて、各部をチェックした上で、バッテリーを接続。イグニッションを入れるとデジタルメーターが点灯した。そしてチョークを引き、さあかかるかどうか、と唾を飲み込んで気合を入れ、セルボタンを押した。
…いともあっさりとほぼ1発でエンジンは息を吹き返した。正直、驚いた。
雑音もなく、カムチェーンの音がちょっと気になるが、これは元々このエンジンの音だ。消音された純正のステンレスサイレンサーは、小気味のよい単気筒の音を鳴らし、どちらかというとメカノイズが目立つ。しばらくバイクをサイドスタンドからはずして垂直にして暖気をする。
アイドリングが安定して、チョークを段階的に戻して軽くスロットルを煽る。レスポンスは問題ないのだが、このキャブは新車の頃からアイドリングがたまに安定しなくなる。それにスロットルを戻した瞬間に、スパーンとエンストをしてしまうのだ。
ストールしそうになるアイドリングの中、エンストしないうちにとヘルメットを被り、ワークブーツの紐を結び、グラブをしてまたがった。
久しぶりの感覚。夏のような日差しが腕に感じられ、大げさではないが10年前くらいの夏にタイムトリップしたような感覚が沸いてきた。
慎重にクラッチを繋いで、試走にでかけたのだった。
写真はDJEBEL250XC。年月は経っているが、屋内保管なのでエンジンもエキパイもリムも綺麗なものだ。
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ORP全国オフミーティング

yonkichi, · カテゴリー: バイク

すっかり参加できなくなってしまっているORP全国オフが、この3連休に行われた。
今回も結局体調不良や何やらで行けずじまいになってしまった。毎年必ず参加していたのに、申し訳ないやら、口惜しいやら。
場所は毎年変わらずなのだが、参加者は毎年着々と減っているのは事実だ。バイクから離れてしまった人も多く、私にしてもバイクに乗っていない。車だって参加していいのだが、何かとライフスタイルも変わってきていて、優先度が変わってきている事を否めない。
ORPはアウトライダー・パティオという、雑誌アウトライダーから派生した、パソコン通信ネットワーク、Nifty-serveの会議室機能PATIOからその名を取っている。アウトライダーが一旦廃刊になり、その後復刊したが、時代の流れもあって読者は減る一方。ツーリングする人も減っていっているようだ。
そしてバイクも乗り続けている人の過半数はBMWやハーレーなどの海外製大型バイクになっていき、そのスタイルも随分変わってきていると思う。それは悪い事ではなく、いわゆる団塊の世代が今、昔の免許で大型海外製バイクに跨がり、週末ツーリングを楽しんでいるという層は増えている事も、時代の流れだと思う。
私としては自分が住む環境の影響が大きいと思う。それこそ安心してバイクを置いておけない都会であり、盗難やイタズラがはびこる社会。ちょっとバイクを置く場所すらない事実などが大きな理由だ。それはもう20年以上前から問題としてあって、それでもしぶとく電車で1時間かかるような場所のガレージに保管したりしていたのだが、それでは結局本末転倒なのだ。
それが時代のせいとも言い切れないが、今も安心してバイクを維持できない環境であり、その状況は年々悪化している。いつか自分の環境だけでもそれが改善されれば、きっとまた私は乗ると思う。それができるなら、バイクで旅に出る事だっていくらでもできる。
何だか愚痴や言い訳のようになってしまったが、思う通り行かない事は歳を重ねるごとに増えていくような気がしてしまうのだった。スピリッツがあっても、リアルに叶わない事だってあるわけで。
写真は第1回のORP全国オフ。しらびそ高原で行われ、KLX650で肘掛け椅子を積んで行った。テントは当時愛用していたエスパース。
今年は主宰の須藤カメラマンの1泊だけ、数人いるスタッフは全滅という状況で、メンバーの人に申し訳なく思ってしまうのだった。
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