丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

哀れな愛車たち

yonkichi, · カテゴリー: バイク

私自身、結婚後はそれなりに北海道ツーリングも続けてきていたが、くーがやってきてからは、一人で長期間(といっても1週間ちょっとだが)の旅は控えてきた。別にそれは仕方なくではなく、気にならない状況でもあった。
古い旅人の友人たちも、結婚するとしばらく旅から遠ざかってしまうものもいる。また子供ができるとそれは顕著になり、なかなか子連れでは昔のようにバイクで気楽にツーリングなんかできる訳もなく、家族で車で旅をしたりするのが限界だろう。実際は旅をしている余裕がないし、実際しても心から楽しめなくなるからが、きっと遠ざかる理由なのだと思う。
しばらく子育てに明け暮れ、でも合間にはバイクに乗りせいぜい1泊程度のツーリングにいく事ができるようになると、ふつふつとロングへの思い入れが深くなってくる。子育てや犬の世話などは奥さんに任せて、という人もいるだろうが、私はなかなかそういう気にもなれない。由はこれまでも、一人で旅にいってくればと言ってくれた事もあったが、やはりなぜか心の底から楽しめなくなるのが分かるだけに、実行に移せない。
バイクのメンテナンスなんか、もうすっかりしなくなってしまった。私のバイクの場合は元々そんなにメンテナンスらしい事を必要としないモデルだったのだが、自分でエンジンやフォーク、ブレーキオイルの交換くらいはしてやっていたものだった。
2年動かしていなければ、ラバーやシール部分は相当痛んでいるはずだ。バッテリーはMFになってからはもう諦めるしかないのだが、タイヤにしても信頼度は落ちる。安心して飛ばす事ができなくなってしまっているはずだ。
何とかバッテリーレスのオフ車でも手元においておきたいものなのだが、なかなか代替できる車両がない。昔6万円で友人から譲って貰ったXR250RJなんかは最高なのだが、今欲しいと思えるものがないというのも計画が進まない理由のひとつだと思うのだった。
ガレージのある家、安心して保管できる場所、そして手をいれまくったリッタークラスのオンロードバイクに、250クラスの軽くメンテナンスフリーのオフ車が一番理想な構成なのだが…
写真はある夏の羅臼知床観光ホテル前で。ここの巨大な岩風呂がなかなかいい味を出しているのだ。
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ハーレーと私

yonkichi, · カテゴリー: バイク

ハーレーと言えばやはり映画「イージーライダー」。単純だが正直な気持ちだ。
私のハーレー経験は、アウトライダーパティオの全国オフで、XL1200spotsstarにちょっと借りた事位だが、スタイルでは私はスポスタが好きだったりする。黄色いタンクのスポスタは、ハンドルも重く、コーナリングも重さを感じるものだったが、アクセルを開けた時のトルク感はなかなか楽しかった。
ただ私としてはもっと暴力的でもいいのではと思ったりする。そう、XR600Rに乗せて貰った時のゾクゾク感はなかったのだった。その600RはDKモデルだったにも関わらず、当時乗っていた輸出仕様のレーサーに保安部品を付けたXR250Rと比べられないトルク感、弾き出されるか、ホイールスピンするかどちらかのパワーは、ワクワクしたのだった。ここでやっぱり私は外車に縁がない事を自覚してしまった。
交差点のスタート毎に、慣れないアクセルワークのせいもあって、バイクは横を向いた。ちょっと砂が浮いていれば、すぐにスピン。車両重量の軽さもあいまって、フロントのホイールリフトは気が向けばすぐにできたのだった。オフロードバイクなのだからまったく乗り物としては違うのだから比較する事自体がおかしいのだが…
ハーレーは旅するバイクとして使うには、相当な気合がいるはずだ。以前よりは故障も減ったようだが、オールドハーレーの存在感はやはり独特であって、それは旅にとても溶け込めるものだと思う。色鮮やかレーサーレプリカはやはり、ちょっと浮いてしまう。しかしそれも台数が多ければ、段々と慣れてきてしまうようで、荷物を積みにくいリアに大量の荷物を積んだレーサーレプリカのバイクも、そんなに嫌いではない。
ただやはり、絵になるものというのは違う。例えば私がこれまで乗って旅をしてきたバイクでは、なかなか絵になりにくかったのは、RG250ガンマ2型、KDX200SR-G1。どちらもハデな色あいだったが、振り分けバックをリアにして、折り畳みのパイプチェアを乗せて旅をした。
逆に絵になったのは、SRX4YSP、ZX-4G1、GSX750S1、KLX650D1、DJEBEL250XC。これらはどんな風景の中でも絵になると私は感じていた。古い町並み、都会の街角、港町、山村など。そして荷物を美しくパッキングしていればもっと絵になった。
絵になったかどうかよく分からないのは、MR50、XL250Rc、GPz900R改、SuperCub90。それなりにあうのだろうが、特に900Rなどは雨で乗りたくないほどに磨きあげ、改造をしていたので、荷物を乗せて永源寺まで往復した夏と、浅間でハーレー乗りたちのキャンプに参加した時以外は、キャンプ用品を積んだ事はなかった。
ハーレーは広大なアメリカ大陸がやっぱりイメージになっている。ドゥカやBMとはまったく違う。ハーレーはバイクではなく、ハーレーなのだから。
写真はXR600Rのパワーを求めて、半年も納車を待った、黒いKLX650。とある峠のカーブで、パワーリフトして曲がっていく所。こんな芸当も簡単ではあったが、林道では重さで体力なしの私は参った。Rなしだった為、その重さとパワーのなさに失望した車種でもあった。
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北海道一のバイクショップ

yonkichi, · カテゴリー: バイク

長年私の旅の目的地としてあった、中標津は開陽台。そこで過ごす時間は私にとって特別だった。日々、何をするでもなく、たまに知床や根室、釧路あたりまで日帰りで足を延ばしたり、1歩も丘を降りる事がなかったりもした。
それだけの期間滞在すると、やはりバイクにトラブルも発生する。カタナの750で行った年、初めて電気系統にトラブルがおきて、バイクショップにお世話になったのだが、実はそれ以前から通い続けてきたバイク屋があった。
それは今でも、修理の用事がなくても必ず中標津にいけば立ち寄る所の一つでもある。
バイクブームの時は、多くのミツバチ族がバイクに乗って北海道を旅していた。そんな中には結構多くの割合で、北海道の道や自然をあまり考えずにやってくるのも多い。
またテンションがあがり、事故を起こしてしまったり、転倒してしまったりもするものだ。そんな時、力になってくれるバイクショップは貴重な存在でもある。
バイクショップといっても、私や私の知り合いはここをバイクショップとあまり思っていないのではないだろうか。兄貴というか、親方というか、何事も頼りになる御大がこのショップのオーナーだ。
違うメーカーの部品を使って応急修理は当然、純正なみに修理してしまう事も多くある。息子さんと共にレースの巡業もしていたり、北海道でこれほどのバイクショップには出会った事がないと思えるほどだ。
しかし反面、礼儀がなっていないお子さまには厳しい。挨拶すらできない子が多かったというのもある訳で、苦労して修理してもお礼の一つすら言えないのが多かったのも、私ですら感じる事ができた。
この御大は単なるノウハウだけではない。オフロードバイクが専門であり、山を駆け回る事がよくあり、私は一緒に走った事がないが、そのダイナミックなライディングはそう簡単に追いつけるものではないらしい。そしてそれを聴いていただけに、私は怖くて一緒に走ってはいない。
開陽台にハイジーの家がなくなってからも、このバイクショップや、道東に住み着いた友人などが沢山いる。私にとっては、道東はやっぱり落ち着く場所であり、目的地なのだと思う。
写真はそのバイクショップの外観。何度この店内でコーヒーを頂いた事か。ちょっと離れたこのバイクショップの車庫の一つには、私の古い友人が住んでいる。
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