丘に吹く風

時には地を這うように、時にはささやくように

らー麺とラーメン

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

我が家の近くには沢山ラーメン屋がある。それも超人気店である「一風堂」や「えぞ菊」、「天下一品」、「俺の空」、「渡なべ」などは徒歩圏内。あの「武蔵」や「竈」、「蒙古タンメン中本」は実家の近くにある。
ここ数年でラーメン屋がとても増えた。そしてそれもおいしいラーメン屋がだ。
そんな中、旅の友人も何人かがラーメン屋だったりする。そのひとつを紹介してしまおう。
私自身、料理は好きだ。時間をかけた料理が多く、独り暮らしの時は簡単にできる料理が主なのだが、その分繊細な味は苦手だったりする。
ラーメンは当然好きだ。特に今時のラーメンは、マニアも愛好家も多く、美味しくなければすぐに客足は遠のいてしまう。私の実家の近くの新宿小滝橋通り周辺、我が家の近くの高田馬場からほど近い、早稲田通りや明治通りのエリア、そして池袋や新宿、渋谷などには凄い数のラーメン屋が存在する。そして実際は結構な数の新しいラーメン屋が生まれ、同時に消えていくらしい。
友人は修行をして、自分の足で好きなラーメンを食べ歩きながら、自分の作りたいラーメンの味という答えを出したようだった。きっと寝る間も惜しんで研究したのだろうと思う。
今でも仕込みを考えても、昼だけの営業しかできないという。それだけ手作りで手間暇をかけているという証拠なのだが、夜の営業があればもっと食べに行けるのにと多くの友人に言われている。しかし、彼は今が精一杯という訳でもないのだが、クオリティを落とさない為に、今の営業時間で納得いく味のラーメンを出せるという事に、重きを置いている。
手を抜くのは簡単だという。しかしあえて早朝から深夜まで、時間をかけて昼の営業時間に出すラーメンを用意しているという事を聞くと大変な職業なのだなという事はとても強く伝わってくるのだった。
店員を増やせばそれは夜の営業も可能だろう。厨房を広げたり、下ごしらえをする場所を別に作ったりすればできるかもしれない。でもそれをしない所に、彼らしさを感じる。夫婦でできる範囲で、そして納得のいくものを出す事。なかなかお金が絡むだけに、ビジネスを考えるとどこのラーメン屋もこの矛盾と戦い、多くが潰れたり味が変わってしまったりする事だろう。
趣味がこうじて、というレベルでは決してない。ただ言える事は、彼は今楽しんでラーメン屋をやっているという事。それが友人として嬉しい。
写真は特製ラーメン。豚・鳥・そして魚の味わい深い、丁寧に時間をかけたスープは、本音で初体験の独特の味だ。濃厚だけどしつこくない。そして魚が強すぎない。存在感のある味とでも言うのだろうか。まさに「丁寧な味」という感じがする。
彼のラーメンは、「ラーメン」ではなく、「らー麺」と呼んでいる。確かにその方がしっくり来るようだ。
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うどん店巡り その9

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

そろそろ東京に向けて移動を開始しようと思っている所と、この日は朝から4食目ではあるが、しっかり天ぷらも食べているので、腹もふくれてきていた。
しっかりした麺という事から期待して、坂出の町中で少し迷いながら、怪しい人の流れをみつけて何とか駐車場を発見。そこから人が一人しか通れないような扉を抜けて、裏道に入ると、面白い風景を目の当たりにした。
この旅最後になるうどん屋、彦江製麺所だ。
時間はお昼をちょっとまわった所。その為か、スーツにサンダルばきのサラリーマンが2~3人で歩いているのだ。食べ終わって帰ろうとしている感じの人もいれば、これから食事に向かおうという感じの雰囲気の人もいる。どれも、皆うどんが目的なのだというのがすぐにその雰囲気からわかった。
とても目立たない、それこそ人の流れがなければわからない製麺所は、看板らしい看板もなく、しかし麺を湯であげる湯気から、そこが目指す場所だという事がわかった。
いかにも工場といった感じのサッシ扉は開かれ、外には食べ終わって友人を待っているサラリーマンが目印だった。中に入ると、想像ができない程、人が沢山いた。
並んで麺をもらい、自分でダシを入れる。好みの天ぷらをとり、席に座って食べるのだ。すべてお金は自己申告制。一緒にゴボウ天と竹の子天を取って、空いている狭い座席について食べた。
ここの麺はとても太く、エッジもたち、コシが強かった。男麺という感じだろうか。私は結構好きだったが、由はちょっと太くコシがありすぎという感じだったようだ。確かに麺の主張がとても強い。
住宅街の中。県道33号裏。創業S27年という老舗は、今日も人が絶えないのだろう。
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うどん店巡り その8

yonkichi, · カテゴリー: 食べ物

善通寺の町中の中村うどんへ。しかしそこまでにいく途中、2件のうどん店に寄ったのだが、どちらも火曜定休で玉砕。どちらも例のベルメゾンのパンフレットからピックアップした店であり、それには定休日が書かれていなかったのだ。
お昼直前だったので、慌てずに、途中土器川の河原でくーを散歩させる。私は何だか肩こりの為にちょっと頭痛気味で、河原の斜面で休憩。気持ちのよい風が吹いていた。
ナビに案内をさせながら、中村うどんへ。片道3車線道路沿いの町のまん中ともいえるにぎやかな場所にあった。数店舗と駐車場を共有した一角に、その目立たない店はあった。ここは通称「やお」と呼ばれている。その理由は、看板に書かれている「中村」という文字が、「やお」と読めるかららしい。
こぎれいで、正直期待できないかなと思っていたのだが、入ると盛大に釜が煮えたぎり、うどんが踊っていた。ここはすべて手作りだという事だ。そして案内をしてくれているおじさんが、ちょっと慣れていない私たちをすぐに感知し、丁寧に案内してくれる。
ここではやっと念願でもあった「かま玉小」を頼む。ちょっと待たされるが、その間お店の中をうろうろ見てまわってしまった。ほどなく出来上がってくると、オーソドックスなおろしがねに載った生姜をもってきてくれて、半分以上食べたあとに、これを入れるとおいしいよ、と教えてくれた。
かま玉は美味しかった。それに、ここのうどんは不思議で、まわりはとろける感じにやわらかいのだが、妙にしっかりとしたコシがあっておいしい。かま玉にまたこれが絶妙にあう。生姜をいれてもまたおいしくて、これはインパクトのある味だった。
思わずおみやげ用うどんと、だし醤油を買い込み、1本だけシェラカップに入れて持ち帰ったうどんを、くーにおすそ分けした。くーは一瞬でたいらげてしまった。
2日間の中、ここもベスト3に入るかという感じのうどんだった。ちょっと異質な食感だったが、今もなお、ここの食感が忘れられない。
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